武豊、東京オリンピック「注目競技」は馬術。元JRA騎手も日本代表に…競馬と馬術の違いとは?
しかし、乗り手は別だ。パラリンピック馬術競技日本代表に元JRA騎手の高嶋活士選手が選ばれた。
高嶋選手は、11年3月に横山和生騎手らと共に騎手デビュー。13年2月に障害戦で落馬事故に遭い、右半身に麻痺が残ってしまった。2年以上リハビリに費やしたが、復帰は叶わず15年9月に引退を決意。障がい者馬術選手に転身した。
その後高嶋選手は、パラ馬術競技で障がいの程度が2番目に軽い「グレード4」の選手として活躍し、見事パラ日本代表の座を勝ち取った。JRA騎手時代は未勝利に終わったが、パラリンピックでは金メダルという大金星を目指す。
元騎手のパラ出場に現役騎手も喜びを見せている。武豊騎手は「注目競技は馬術です。(高嶋選手が)選ばれてすごくうれしかった。テレビで応援します」とエールを送っている。
武豊騎手が所属するJRAでも馬術競技を全面的にサポート。東京オリンピックの会場は、JRAの馬事公苑だ。大会期間中は、獣医の派遣など運営を全面的に協力する方針だ。また、日本選手が騎乗する馬の中にはJRAが購入した馬もいる。
馬の品種や競技では違いは見られるものの、様々な点で関連性がある競馬と馬術。馬術競技の模様は、競馬ファン御用達のグリーンチャンネルにて放映される予定だ。
(文=寺沢アリマ)
<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。