JRA騎手落馬も「残された相棒」の神走にファン大興奮!? 「これは今後に期待?」空馬がインをスルスル…”2着”ゲットにジョッキー不要論も?
24日、函館競馬場で行われた6R・3歳未勝利(芝1800m)は、2番人気のアラモードバイオ(牡3歳、栗東・新谷功一厩舎)が勝利。好スタートから積極果敢にハナを奪うと、そのまま逃げ切って待望の初勝利を挙げた。
一方で、このレースは後味の悪い決着となってしまった。1コーナーで小崎綾也騎手のミスティックアイルが内側へ斜行したことで、直後を走っていたキタノオーシャンが前の馬に触れて躓き、亀田温心騎手が落馬してしまったからだ。
なおこの結果、JRAは小崎騎手に対して、来月7日から15日までの9日間(開催4日間)の騎乗停止処分を下している。
「小崎騎手には反省してもらいたいですが、躓いたキタノオーシャンや、落馬した亀田騎手にケガがなかったことは不幸中の幸いでしたね。バランスを崩した後の亀田騎手の“落ち方”も上手でしたし、その直後を走っていたデルマムリョウと荻野琢真騎手の回避行動も見事でした。
JRAが公開した決裁パトロールを見ると、落馬した亀田騎手とデルマムリョウは数十センチといったところまで接近しましたし、一歩間違えればさらに大きな事故に繋がっていたかもしれません。突然のアクシデントでしたが、亀田騎手と荻野琢騎手の対応力がある意味、小崎騎手を救ったと言えるかもしれませんね」(競馬記者)
そんなジョッキーたちの隠れたファインプレーがあった一方、レースを見守ったファンを大いに沸かせたのが、乗り手を失い「空馬」となったキタノオーシャンだ。
1コーナーに入った直後に、前の馬と接触し大きくバランスを崩してしまったキタノオーシャン。相棒の亀田騎手を失ってしまうアクシデントに見舞われたが、その直後の“リカバリー”は見事の一言。先行集団を見るような形で1コーナーに飛び込むと、頃合いを見計らって最内に張り付いた。
さらに向正面の入り口でインをスルスルと抜けて、逃げ馬の直後に浮上。そのまましっかり“2番手”をキープすると、最後の直線でも逃げ切ったアラモードバイオに最後まで食い下がって“2位入線”となった。
これには、レースを見守ったネット上のファンもSNSや掲示板などで「普通にレースしてて草」「これは今後に期待?」「すごく綺麗にインを割ったのに騎手がいない」「抜群のレース運び」と、空馬キタノオーシャンの思わぬ“快走”に驚いた様子。
中には「今まで乗ってきた騎手は見習ってほしい」「次は騎手じゃなくて、キタノオーシャンにレースを任せた方が勝てそう」といった冗談まで飛び出していた。
「驚きました。大方は空馬になるとどこかへ逸走するか、本能的にレースを続けても、だいたいは馬群の外側を走っているものですが、あれだけ上手にレースをする空馬は珍しいです。特に4コーナーでペースが上がった際も遅れずについて行っていましたし、最後も2着に踏ん張っていましたね。
ただ、他の馬や騎手にはいつも以上に邪魔でしたでしょうし、一歩間違えれば事故にもつながり兼ねないので、キタノオーシャンの関係者はハラハラしながら見守っていたと思いますよ」(同)
今回、思わぬ形でファンからの注目を集めたキタノオーシャンだが、立場は未勝利。9月の未勝利開催終了まで残された期間が短くなっている中、まだ一度も馬券に絡めていない。次こそはジョッキーと共に勝利を掴みたいところだ。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。