JRA川田将雅「ジグザグ斜行」も“お咎めなし”に被害馬ファンからブーイング!? コリエンテスに続きサトノジークでもチグハグ騎乗、絶好調小倉とまるで別人?
25日、新潟競馬場で行われた5Rの2歳新馬戦は、戸崎圭太騎手の4番人気レディバランタインが優勝した。
煽り気味のスタートからレディバランタインが行きたがる素振りを見せたタイミングで、無理に抑えずに行かせた戸崎騎手の好判断も光った。先頭に立って折り合いがつくと、最後の直線に入っても手応えは十分。上がり3ハロン33秒7の逃げ切りで、1番人気サトノジーク、2番人気レヴァンジルを退けた。
レディバランタインは、母の母に2004年の凱旋門賞馬バゴを出したMoonlight’s Boxのいる血統。父のサトノアラジンにとってもこれが嬉しい産駒初勝利となった。ディープインパクトが2019年に亡くなり、後継種牡馬争いに注目が集まっているが、17年の安田記念(G1)を制した期待の新種牡馬が名乗りを上げた。
その安田記念でサトノアラジンを勝利に導いた川田将雅騎手だが、このレースではライバルのサトノジーク(牡2、栗東・安田隆行厩舎)に騎乗。1番人気に支持されたが、かつてのお手馬の産駒に勝利を阻まれた格好だ。
最後は2着に追い上げたものの、その道中は決して褒められる騎乗ではなかったかもしれない。
13頭立ての芝1800m戦。レディバランタインが先頭を走る中、最後の直線を4番手で迎えたサトノジーク。残り600mで追い出しに掛かろうとしたタイミングで、後方から追い上げてきたコンジャンクションの前を横切るように外側へ移動。コンジャンクションは内側へ回避した。
しかし、辛うじて体勢を立て直したコンジャンクションの鞍上・松山弘平騎手を想定外のアクシデントが襲う。
なんと、一旦はやり過ごしたはずのサトノジークが、今度は内側へと戻ってきたのである。これにより、最内を走っていたコンジャンクションは、内ラチに接触しそうなシーンも……。そのまま盛り返すことなく8着と敗れてしまった。
「1番人気馬サトノジークで負けられなかったと思いますが、同じ馬相手に2回ですからね。フェアプレーに定評のある川田騎手にしては、少しチグハグな騎乗だったように感じます。
昨年の阪急杯(G3)では、斜行したダイアトニックに騎乗していた北村友一騎手に対し、怒号のような音声が拾われましたが、被害に遭ったフィアーノロマーノに騎乗していた川田騎手の声ではないかと言われていました。
今回、自身が加害者になってしまっては立場なしでしょう」(競馬記者)
しかし、“ジグザグ斜行”の煽りを受けたコンジャンクションに対し、川田騎手は最終的に“お咎めなし”。この結果にネットの掲示板やSNSで同馬の一部のファンからは「斜行じゃないの?」、「2回もやってるのに……」、「川田が同じことをされたら、大人しくしているとは思えない」と不満のコメントも出ていた。
土曜は新潟5Rの2歳新馬で、単勝1.9倍の断然人気に支持されたコリエンテスで穴馬に逃げ切りを許して2着、残りの2鞍も2番人気馬で馬券圏外。日曜でも上位人気馬に騎乗しながら2着が1回のみと、結果を残せなかった。
この日のメイン・アイビスSD(G3)で騎乗したモントライゼでも12着に大敗した川田騎手は、終わってみれば今週は【0.2.0.7/9】という散々な成績。先週までの小倉開催で存分に手腕を披露していたが、この日の最終レースでは見せ場もなく最下位に敗れた。
先週の中京記念(G3)を鮮やかに勝利した騎手とは、まるで別人のような新潟開幕週となってしまった。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。