JRA かつての若手ホープが所属厩舎から「非情宣告」 、お手馬を後輩有望株に乗り替わり!デビュー7年目で訪れた崖っぷちの危機
中央競馬は24日から来月8日まで函館と新潟の2場開催が続く。例年の3場開催に比べ、レース数が少なくなるため、トップクラスに比べると、中堅や若手騎手は騎乗馬の確保に苦労しているだろう。
しかし、自分が乗り続けている馬が出走するとなれば話は別だろう。外国人騎手の台頭や馬主の事情で乗り替わりが当たり前になりつつあるが、コンビが継続しているということは、厩舎からの信頼を得られているということだ。
また、中には馬主から騎手を替えて欲しいと要望があっても厩舎が断るケースもある。かつて、テイエムオペラオーが菊花賞(G1)で敗れた後、馬主が騎手を替えて欲しいと、同馬を管理する岩元市三調教師にリクエストしたこともあったが、岩元師は首を縦に振らなかった。師が「どうしても乗り替わりをしたいなら転厩してください」と、当時所属騎手だった和田竜二騎手を守った結果、テイエムオペラオーとのコンビが継続したのは有名だ。
しかし、最近では若手騎手が結果を出しても、次走は短期免許で来日した外国人騎手へ乗り替わることが珍しくないように、このような話は珍しくなりつつある。
今週に関してはコマノウインクル(牡4歳、栗東・庄野靖志厩舎)が、7戦連続騎乗した加藤祥太騎手から西村淳也騎手へ乗り替わることが判明した。
同馬は現在まで12戦走っているが、うち10戦で加藤騎手がコンビを組んでいた。加えて、加藤騎手は庄野厩舎の所属騎手でもあり、普段の調教から同馬とコンタクトを取っている。いうなれば、コマノウインクルは加藤騎手の「お手馬」と言っても差し支えないだろう。
しかし、31日に出走予定している佐渡S(3勝クラス、新潟芝1800m)の想定は西村淳騎手となっていたのである。同馬は昨年8月に加藤騎手から西村淳騎手へ乗り替わって勝ち星を挙上げているが、今回は加藤騎手が7戦連続継続騎乗している中での乗り替わりだけに、事実上の降板とも受け取れる。
同馬は初勝利が3歳5月と遅かったが、この勝利を機に3連勝。その内2勝は加藤騎手鞍上で、現級でも加藤騎手と共に好成績を上げていたものの、昨年10月を境に未勝利が続いている。
また、4走前の飛鳥S(3勝クラス)から前走まで連続してスタートで出遅れている。その影響で位置が後方となってしまい、上がり3Fではメンバー上位の脚を繰り出すが脚を余し敗れるシーンもあった。
陣営としては、3連勝していた馬だけに、何とか現在の悪い流れを断ち切りたいところだろう。同馬の1週間前追い切りに西村淳騎手へ騎乗をお願いしている点からも、陣営の意欲が伝わる。数少ないお手馬候補を失った加藤騎手にとっては、痛恨だっただろう。