武豊も自画自賛!『世界のトップ100・G1レース』で評価急落のジャパンCの「裏」に競馬の世界最高機関の目をくらませた”ユタカマジック”の神髄
キタサンブラックがレースをつくる逃げ馬であることは周知の事実だが、こういったタイプは、如何に自分が勝ちやすい流れに「レースをコントロールできるか」が非常に重要だといわれている。
その上で昨年のジャパンCは前半の1000mが61.7秒。これは2年前や3年前よりも2秒以上遅いペースとなる。つまり、相対的なタイムや着差が評価されるIFHAの評価では、この時点で昨年のジャパンCが高い評価を得られないことは半ば決まったようなものだった。
しかし、それはスタートから先頭を走っていた武豊騎手とキタサンブラックが、このスローペースを意図的に作りだし、終始レースを支配していたからこそ。それが最終的に、後続に2馬身半以上の差をつける快勝劇につながったということだ。
そういった意味では昨年のジャパンCのレース評価が低いということは、後続に本来の力を発揮させなかった武豊騎手の技術、俗にいう”ユタカマジック”の効果の表れであり、いわば低い評価こそが逆に「勲章」といえるということだ。
実際に武豊騎手もこのジャパンCに関して「1年で最高のレース」と自画自賛している。つまりそれだけ「思い通りにいった」ということなのだろう。
また、昨年の日本で高い評価を受けた有馬記念と宝塚記念は、どちらもキタサンブラックが惜しくも敗れたレース。言い換えれば、この2戦は武豊騎手が完全に支配しきれなかったレースという見方もできるのではないだろうか。
IFHAから高い国際評価を受けたレースが素晴らしいことは確かだが、逆に評価が低いからといっても一概に「つまらないレースだった」とは言えないところが、競馬の面白い所でもあるのだろう。