JRA 武豊「難しいレースになった」ほろ苦デビューから2ヶ月、マイシンフォニーが戦列復帰! 13歳の金メダリストに触発されて52歳も発奮か
6月に行われた東京の新馬戦で4着だったマイシンフォニー(牝2、栗東・松永幹夫厩舎)が、8月22日に小倉競馬場で行われる芝1800mの未勝利戦で復帰を目指していることが明らかになった。鞍上は武豊騎手を予定している。
本馬は2019年の京都2歳S(G3)を制覇し、クラシック戦線を賑わせたマイラプソディの半妹。ハーツクライ産駒の兄から父がディープインパクトに変わった妹は、20年のセレクトセールにて2億6400万円(税込)という高値で落札された注目馬だ。
雨の東京・芝1600mが舞台となった新馬戦では、2番人気に支持されるもスタートで後手。内枠だったこともあり道中は後方のインを追走すると、直線に入ってからも進路を確保するのに手間取り、最後はいい脚を見せるものの4着が精一杯だった。
新馬戦としては非常に厳しい競馬を強いられての敗戦。レース後に、武豊騎手も「難しいレースになった」と振り返ったように、スローペースで後方待機策を取ったことが裏目になったとも受け取れるレース内容だった。
しかし、今振り返ってみるとこのときのメンバーは非常に強敵揃いであり、本当に難しいレースであったこともまた確かだろう。
2着だったプルパレイは25日、新潟競馬場で行われた芝1600mの未勝利戦で快勝。勝ちタイムの1分33秒3は、14年の新潟2歳S(G3)でミュゼスルタンが記録した1分33秒4を上回るレコードだった。
5着のグランドラインも4日の福島芝1800mの未勝利戦に出走すると、単勝オッズ1.9倍の支持を集めて後続に3馬身半の差をつけて完勝を収めている。
マイシンフォニーはこれら強敵を相手に厳しい競馬を強いられながらも、上がり最速となる33秒6の末脚を繰り出して4着に食い込んでいる。しかも上位5頭のうち牝馬はマイシンフォニーただ1頭だった。そう考えるとそれほど悲観する内容ではなく、むしろ将来が楽しみになる走りであったともいえるかもしれない。
「マイシンフォニーは『武豊騎手と凱旋門賞(G1)を制覇するのが夢』と公言しているキーファーズの所有馬。無敗の3連勝でクラシック候補といわれた兄は、伸び悩んでいる現状ですが、妹には兄以上の活躍を期待したいところです。新馬戦の内容からも次走は確勝級といえるかもしれません」(競馬誌ライター)
現在函館に滞在し、東京オリンピックを毎日テレビで観戦しているという武豊騎手。スケートボード女子で金メダルを獲得した13歳の西矢椛選手に刺激を受けたようで、「ああいうことに感動しない人はいない。仕事を頑張ろうと思う。13歳の子は面白い。52歳も頑張ろうと思います」と『スポーツ報知』に対して語っている。
人間に例えれば西矢椛選手と同じ13歳か、あるいはもっと下かもしれない2歳牝馬のマイシンフォニー。来年のクラシック戦線へ、そしてオリンピックアスリートのように世界を相手に戦うためにも、まずは復帰初戦に注目だ。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。