JRA「遅れてきた大物」バーデンヴァイラーが9馬身圧勝! 福永祐一「かなりの将来性」骨折から復帰戦の勝ち時計はすでに重賞級

 粒ぞろいといわれる3歳ダート戦線に、またも新星が現れた。

 31日、新潟競馬場で行われた7R・3歳以上1勝クラス(ダート1800m)は、1番人気バーデンヴァイラー(牡3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)が9馬身差で圧勝。遅れてきた大物が単勝1.6倍の圧倒的人気に応えた。

 15頭立てのレースで好スタートを決めたバーデンヴァイラーは、鞍上の福永祐一騎手の「主張する馬がいれば控えたかったですが、並び的に行く形になった」というコメント通り、2コーナーでハナに立った。

 単勝1.6倍の大本命馬がハナに立ったということもあって、後続もぴったりとマーク。最後の直線を迎えるまでほとんど差はなかったが、ここからがバーデンヴァイラーの独壇場だった。

 福永騎手が軽く促すと、一気に後続を突き放すバーデンヴァイラー。残り200mを切った時には、すでに5馬身以上の差をつけて独走しており、最後は流したままゴールした。

「非常に強い勝ち方でした。昨年11月に初ダートとなった未勝利戦を6馬身差で圧勝したことからも将来が期待されていた馬ですが、骨折で長期休養に。今回が復帰戦でしたが、1勝クラスでは格が違いすぎましたね。

勝ち時計の1:51.4は、同日同舞台で行われた9R・麒麟山特別(2勝クラス)の1:52.5より1.1秒も速い時計。自らハナに立って記録した時計には価値があります。

福永騎手が『これから砂を被ったり、揉まれたりした時がどうかだが、素直な馬なので大丈夫だと思う』と話している通り、2勝クラスも通過点になる可能性が高そうです」(競馬記者)

 なお、麒麟山特別を勝ったキタノインディは、前走でサンライズグリットとクビ差の接戦を演じていた馬だ。しかし、そのサンライズグリットがこの日、バーデンヴァイラーに9馬身千切られた2着馬である。

 また、舞台となった新潟ダート1800mは来週に行われる3歳限定重賞レパードS(G3)の舞台としても知られているが、勝ち時計1:51.4は一昨年から0.1秒遅いだけ(昨年は不良馬場での開催だった)。

 レパードSが創設された2009年以降、良馬場で開催された8回の内、このタイムを上回ったのは、一昨年を含めてわずか3回しかない。この事実だけでも、すでにバーデンヴァイラーが重賞級の器であるといえるだろう。

「かなりの将来性があるし、今後が楽しみ」

 そうバーデンヴァイラーの将来性に太鼓判を押す福永騎手は今春、シャフリヤールとのコンビで3度目のダービージョッキーに輝いた。昨年、コントレイルで無敗の三冠を達成するなど充実著しいトップジョッキーが、芝だけでなく、ダートでも有望な手駒を手にいれたのかもしれない。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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