JRA 川田将雅「シンガリ&ブービー」の大誤算!? 「15年ぶり函館勝利」と偉業達成は無念の持ち越し、好調アピールの新潟から一転して空回り
1日、8年ぶりに函館競馬場で行われたクイーンS(G3)は、C.ルメール騎手騎乗の3番人気テルツェット(牝4、美浦・和田正一郎厩舎)が勝利した。
テルツェットは今年のダービー卿CT(G3)に続いて重賞2勝目。先週は騎乗のなかったルメール騎手は、復帰週でいきなりの重賞Vとなった。
一方で、2番人気に支持されるも11着と期待を裏切ってしまったのが、ドナアトラエンテ(牝5、美浦・国枝栄厩舎)と川田将雅騎手だ。
道中は逃げるローザノワールを見るように2番手を追走。雨のコンディションにしては1000m通過が59秒9とやや速かったこともあり、3コーナー過ぎあたりから川田騎手の手が激しく動き始める。4コーナーで徐々に後退していくと、直線ではなす術もなく、12頭立てのブービー11着に敗れた。
レース後、川田騎手は「3コーナーで手応えがなくなり、ついていけなくなった」 とコメントしており、9着に敗れた2走前の中山牝馬S(G3)と同じように雨で重い馬場コンディションとなったのが堪えたのかもしれない。
今回のクイーンSで、JRA全10場重賞制覇が懸かっていた川田騎手。2012年にコンビを組み、オークス(G1)を制したジェンティルドンナの全妹であるドナアトラエンテでの快挙達成が期待されたものの、無念の持ち越しとなってしまった。
なお、川田騎手の函館参戦は2年ぶり。夏は毎年小倉をメインに騎乗しているため、函館での騎乗は極端に少ない。最後の勝利は06年8月5日のラブリークレセントまで遡ることになり、通算でも函館はこの1勝のみである。今回の参戦には函館での15年ぶりの勝利も懸かっていたのだが……。
「川田騎手のこの日の乗り鞍は、クイーンSを含め2鞍。5Rの新馬戦ではハーツクライ産駒の期待馬であるシャーマンズケイブに騎乗し、1番人気に支持されていましたが、まさかの5頭立てのシンガリに敗れています。
前日は新潟で5鞍に騎乗し、2勝2着1回3着1回。新馬戦を連勝するなど好調ぶりをアピールしていたため、全10場重賞制覇&15年ぶりの函館勝利が期待されていましたが、やや残念な結果に終わってしまいました」(競馬誌ライター)
2年前はダノンスマッシュで函館スプリントS(G3)に参戦予定も、禁止薬物騒動でまさかの競走除外。函館の通算成績は【1-2-3-18/24】勝率4.2%となり、騎乗数が少ないとはいえ、川田騎手にしてみればあまり相性がいい競馬場とはいえないのかもしれない。
参戦が少ないため、次の機会がいつなるかはわからないが、川田騎手には早期での快挙達成を、またドナアトラエンテには次走での巻き返しに期待したいところである。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。