JRA外国人騎手“復活”へ「南アフリカが誇る若き天才」が切り込み隊長!? 「8月に日本へ渡ることを楽しみに」今月8日にも出国か
東京オリンピック・パラリンピックの影響で多くの外国人アスリートが来日している昨今だが、競馬界では未だ外国人ジョッキーの来日が途絶えたままだ。今年短期免許による来日を果たした騎手は「0」である。
JRAが定めるハードルの高さも相まって、日本へ参戦する外国人ジョッキーは非常にハイレベル。世界的な名声を誇る騎手も珍しくなく、来日するたびに勝ち星を荒稼ぎして帰国するのが定番だ。
その分、日本人騎手が割を食うなど長年、賛否両論が囁かれている問題だ。だが、そんな環境にすっかり慣れてしまった競馬ファンからすれば、来なければ来ないでやはり一抹の寂しさがあることも事実だろう。
そんな中、日本競馬における外国人ジョッキー復活の“切り込み隊長”になる可能性のある騎手が浮上した。南アフリカが誇る若き天才・L.ヒューイットソン騎手である。
先月31日、南アフリカのグレイヴィル競馬場で行われたセクウィニS(G1)を勝利したヒューイットソン騎手は、現地メディア『sporting post』の取材に応え、今夏に日本へ渡るつもりがあると語っている。
『sporting post』によると、ヒューイットソン騎手は「8月に日本へ渡ることをとても楽しみにしている」という。場合によっては約3カ月間の長期参戦になる可能性もあるようだ。
ヒューイットソン騎手といえば昨年3月、つまりは日本に非常事態宣言が発令され、外国人の来日が困難になる直前からJRAに初参戦。5月4日まで騎乗し、重賞2勝を含む19勝を挙げている。初参戦の22歳という状況を鑑みれば、「若き天才」の名に恥じない結果を残したといえるだろう。
そんなヒューイットソン騎手だが帰国した際には、「貴重な経験を与えてくれた」と語る日本の競馬について「レース体制はとても素晴らしく、時計のように(正確に)機能しています。非常にプロフェッショナルな運営」と極めて高く評価している。コロナ禍にある現在の日本が難しい状況にあることを理解しながらも、できることなら再び来日したい意思があるようだ。
「あくまで『sporting post』の記事を読んだ限りですが、今月の8日にも日本に向けて出発する意思があるようです。このことからも“本気度”はかなり高いと言えるでしょう。ちなみにヒューイットソン騎手は2020/2021年シーズンで2位に大差をつけ、リーディングを独走中なので、JRAが定めたルール上は問題なさそうです。
当然、JRAが受け入れるか否かという問題はあると思いますが、プロ野球などの外国人選手が適応できている点や、何よりオリンピック関係の状況をJRAがどう判断するかでしょうね。もし来日すれば、ノーザン系ホースクラブを中心に手厚いバックアップが受けられることはほぼ間違いないでしょう」(競馬記者)
この報道を受けSNSや掲示板などの競馬ファンも「ヒューイットソン来るらしいぞ!」「来日できるといいね」「五輪で大丈夫なら競馬でも」「(重賞を勝った)ガロアクリークにまた乗ってくれ!」など、、万全の対策が必要であることを理解しながらも概ね歓迎のムードのようだ。
「少なくとも今回は、昨年の旅行では渡航制限のために見ることができなかった観光地や文化的な名所をより多く楽しむことができるかも。それも楽しみです」
『sporting post』の取材にそう抱負を語っているヒューイットソン騎手。本日も東京の感染者が初の5000人超えを記録するなど、事態は決して楽観してできる状況ではないが、南アフリカが誇る若き天才の2度目の日本参戦が実現するのか注目したい。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。