JRA武豊「将来的にも楽しめる馬に出会えた」あの2歳馬を改めて大絶賛! 「乗り味もかなりのもの」エアグルーヴ以来のオークス、そして凱旋門賞へ広がる夢
4日、武豊騎手が自身の公式ホームページを更新し、先週にデビュー戦を快勝したロン(牝2歳、栗東・石橋守厩舎)について、改めて称賛している。
史上初の函館・芝2000mでの開催となったロンのデビュー戦。武豊騎手が「スタミナに自信がないと、出走にゴーサインを出すこと自体をためらってしまう条件」と綴っている通り、限られた2000mの新馬戦の中でも、洋芝の2000mはさらにスタミナを要求される舞台だ。
そういった背景もあって5頭立てのレースとなったが、前半1000mを63秒というスローペースにまとめたロンが、最後は2着ジャスティンスカイに3馬身半差をつけて完勝している。
「そろりとハナに行って、スローペースに持ち込んで逃げ切った形ですが、最後の直線はどの馬より伸びていましたから、内容的にも褒められるものです。乗り味もかなりのもので性格もいい。将来的にも楽しめる馬に出会えた、と思っています」
そう武豊騎手が絶賛している通り、上がり3ハロン34.6秒はメンバー最速。ハナに立って、上がりも最速となれば、後続はお手上げだろう。
「この時期の牝馬はスタミナ面で牡馬に劣ると見られているだけに、牝馬のロンの走りは際立っていますね。相当なスタミナがありそうで来春の狙いは当然、1600mの桜花賞(G1)よりも2400mのオークス(G1)でしょう。
馬主がキーファーズなので、もしかしたらよりロンのスタミナが活かせそうな欧州遠征を敢行するかもしれません。いずれにせよ武豊騎手にとっては楽しみが膨らむ馬ですね」(競馬記者)
秀逸な内容でデビュー戦を快勝したロンだが、本馬が所属するキーファーズの公式ホームページによると「まだ馬体は絞れる」とのこと。気になる次走については、札幌2歳S(G3)などが考えられるが「北海道シリーズで無理したくない。しばらくは涼しい函館で調整して、今後のローテーションを考える」とのことだ。
「初めて跨りましたが、凄くいいフットワークで、走りそうな雰囲気を感じました。反応もすごくいいし、少しのゴーサインでスッと動きました。楽しみですね」
レース後、そうロンに今後の期待をかけた武豊騎手。少し気は早いが、オークス勝利は1996年のエアグルーヴから25年も遠ざかっているだけに、そろそろ通算4勝目を手にしておきたいに違いない。そして最大目標は、やはりキーファーズとの凱旋門賞(G1)だ。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。