JRA ワグネリアン「マイル挑戦」計画! ダービー馬の1600m出走はワンアンドオンリー以来約4年ぶり、血統的には一変の可能性も?
今年4月、阪神競馬場で行われた大阪杯(G1)で12着に敗れた後、休養に入っている2018年のダービー馬ワグネリアン(牡6歳、栗東・友道康夫厩舎)が、10月に東京競馬場で行われる富士S(G2)で復帰を予定していることが明らかになった。
日本ダービー(G1)の勝ち馬がその後マイル戦に出走するのは、ワンアンドオンリーが出走した17年7月の中京記念(G3)以来、4年3ヶ月ぶり。勝利すればウオッカが勝った09年6月の安田記念(G1)以来、12年4ヶ月ぶりの“マイル勝利”となる。
富士Sは20年、マイルCS(G1)へのステップレースとしての位置づけを明確にするために、G2へと格上げされている。ワグネリアンはここで好走するようであれば、マイルCSに挑戦する可能性も出てくるかもしれない。
ちなみにワグネリアンは18年、福永祐一騎手と見事にダービー馬へ登りつめたものの、その後は徐々に成績が低迷。ダービーの次走である神戸新聞杯(G2)こそ勝利を収めているが、以降3年近く白星がない。
そのため、同じ金子真人ホールディングスの所有馬であり、国内では5年以上勝ち星から遠ざかっている16年のダービー馬マカヒキと共に、「いつまで走るんだ?」といった声もチラホラと聞かれ始めている。
また、6歳にして初めてマイル戦に挑戦することが明らかになったことについては、「マイル戦で変わり身に期待」「追走だけで精一杯なのでは」「マカヒキも出走するべき」など、ネット上でも賛否両論のようだ。
「ワグネリアンは以前から息遣いに気になるところがあったそうで、昨年の宝塚記念(G1)で13着に敗れた後、ノド鳴りの手術を行っています。今年2月、武豊騎手を背に京都記念(G2)で復帰しましたが5着。吉田隼人騎手に乗り替わった大阪杯でも12着と大きく敗れています。
もともと手術をしても競走能力が元に戻る可能性は1~2割といわれているために、やはりノドの影響があったのかもしれません。その点を考慮すると、距離がマイルに短縮されることは多少プラスに働くかと思われます
またワグネリアンの祖母は、鬼脚を武器に短距離重賞で6勝を挙げたブロードアピール。血統的にはマイル以下でも走れると思われるので、ぜひ一変も含めた変わり身に期待したいところです」(競馬記者)
なおワグネリアンは6歳馬ながらも、キャリアはまだ15戦と少ない。決して使い減りはしていないと思われるだけに、初のマイル戦がうまく噛み合うことになれば、まだまだ好走することも十分に可能だと思われる。ダービー馬の逆襲に期待したいところだ。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。