JRAシャフリヤール「菊花賞」なら競馬界最大の謎に挑戦!? 三冠馬8頭に対し「日本ダービー&菊花賞」はわずか1頭……ダービー馬は何故勝てないのか
「1973年のタケホープ、1943年のクリフジが達成していますが、クリフジは牝馬でオークス・日本ダービー・菊花賞という変則三冠馬。純粋に日本ダービーと菊花賞だけとなると、タケホープ1頭しかいません。
単純な距離だけを見るなら、2000mの皐月賞よりも2400mの日本ダービーの方が3000mの菊花賞に近いはずですが、何故か日本ダービー&菊花賞の二冠馬は極めて希少。もう47年間も出現していないことになります。これだけ少ない理由はある意味、競馬界最大の謎といえるかもしれません」(別の記者)
この背景には当然、先述した有力馬の菊花賞回避が挙げられるだろう。
実際に、過去10年でダービー馬が菊花賞に挑戦した例は、わずか3頭のみ。その内2頭がコントレイルとオルフェーヴルであり、つまりは「三冠が懸かっていたので出た」という見方ができる存在だ。
さらに過去20年まで広げても5頭が追加されるだけであり、その内メイショウサムソン、ディープインパクト、ネオユニヴァースらはコントレイル同様「三冠」が期待されて出走した馬たちだった。
つまり2000年以降、純粋に日本ダービー&菊花賞の二冠に挑戦した馬はアグネスフライト、ジャングルポケット、ワンアンドオンリーの3頭しかいない。
ただし、その3頭すべてが菊花賞で1番人気に推されながらも馬券圏外(4着以下)に飛んでいるのは、シャフリヤールにとっても無視できない事実だろう。一見、出走さえすれば楽勝ムードにも見えてしまう菊花賞だが、意外に一筋縄ではいかないのかもしれない。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。