JRA藤岡佑介「不可解」な脚質転換にファンの不満爆発!? 関屋記念(G3)グランデマーレ「最速上がり」繰り出すも5着……
いつも通り前へいっていれば……。
15日、新潟競馬場で行われた関屋記念(G3)は、4番人気ロータスランド(牝4歳、栗東・辻野泰之厩舎)が勝利。テン乗りとなった田辺裕信騎手のアシストで、馬と厩舎共に嬉しい重賞初勝利を果たした。
その一方、メンバー最速となる上がり3ハロン33.8秒の末脚を引き出しながら、5着に敗れてしまったのが、グランデマーレ(牡4歳、栗東・藤岡健一厩舎)の藤岡佑介騎手だ。
17頭立てで行われたサマーマイルシリーズの第3戦。戦前の想定通り、マイスタイルがハナを切ると、2番手に2・3馬身離して単騎でペースを作る。新潟の長い直線を見越してか、各馬隊列が決めると道中大きな動きは見られなかった。
1000m通過58.1秒は、過去5年の関屋記念最も遅い通過タイム。スローペースで待っているのは、新潟の長い直線を活かした切れ味勝負だ。
そんな中、前から11番手を走るグランデマーレは、1枠1番ということもあってインコースで脚を溜める。馬群が固まっていたこともあり、インを走る先行馬がなかなか垂れず前が塞がったため、他よりも追い出しが遅れた。
残り200mを過ぎてから進路を見つけ懸命に脚を伸ばしたが、先行馬が止まらず……。最後は掲示板が精一杯の5着に終わった。
グランデマーレは、これまで4勝しているが、その全てが先行押し切り勝ち。4勝全てレースの通過順位が3番手以内だ。今回、出遅れや不利がなかったにもかかわらず、先行争いに加わらず後方で待機していたことには疑問が残る。
結果的にも2番手の馬が1着、逃げた馬が4着という前残りの決着。いつもの前目へつけていたらチャンスは十分あったのではと思っても仕方ないだろう。
これにはネット上の競馬ファンも、SNSなどを通じて「先行していれば」「馬は頑張っていた」「いきなりなぜ脚質転換」と藤岡佑騎手の騎乗に不満の声が出ていたようだ。
藤岡佑騎手のコメントによると「向正面から3コーナーにかけて左回りだと右に張るところがあります。その矯正で前の位置を取ることができませんでした」とのこと。この影響で、位置取りが後ろになってしまったということだろう。
その一方、敗因が「左回りだけに問題」があったのかとなると少し疑問が残る。外回り・新潟芝1600mのスタート地点は向正面直線の中ほどであり、左回りの1コーナーまで距離に余裕もある。スタート後の先行争いで、手綱を押して積極的に出していったライバルに対し、藤岡佑騎手の手綱はしっかりと押さえられており、そもそも行く気がなかったのではないかのようにも映るからだ。
戦前に藤岡師が、「今回の結果次第で秋の進路が決まる」と話しているように、関屋記念がグランデマーレにとって試金石の一戦であった。今回の結果を受けて、グランデマーレが今後どのようなレース選択をしていくか注目だ。
(文=寺沢アリマ)
<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。