JRA キングカメハメハ「後継種牡馬」群雄割拠の争いに断!? 早過ぎるドゥラメンテの死……ロードカナロア「暴落」で浮かび上がる次世代のエース候補とは

 8月31日、また1頭の名馬がこの世を去った……。

 2015年には皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)のクラシック二冠を達成。JRA賞最優秀3歳牡馬にも選出されたドゥラメンテである。

 現役引退後は、北海道勇払郡安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬として繋養。8月30日より腸炎の兆候があったとのことで、その後の悪化により急性大腸炎で息を引き取った。

 現役で走っていてもおかしくない9歳という年齢に、一部の競馬ファンからもSNSや掲示板を通じて「早過ぎる……」「これからが種牡馬としての勝負だったのに……」と惜しまれる声も多数。キングカメハメハの後継種牡馬として期待したファンも多かっただろう。

 ドゥラメンテは、前年の種付料700万円から今年は1000万円と上昇。現在のところ重賞を勝ったのは弥生賞(G2)のタイトルホルダーだけだが、生産者の評価は未だ高い。

 2019年にディープインパクトとキングカメハメハの2大巨頭がこの世を去ってから、種牡馬の覇権争いは群雄割拠の時代を迎えた。9冠馬アーモンドアイを輩出するなど大本命と目されていたロードカナロアも、昨年の種付料2000万円から今年は1500万円と大きく種付料を落としている。

 ロードカナロアは、現役時に短距離路線で活躍した馬。母がクラシックで活躍したシーザリオやフサイチパンドラでは距離をこなすサートゥルナーリアやアーモンドアイを産駒を輩出したが、先週のキーンランドS(G3)を勝利したレイハリアや、香港スプリント(G1)や高松宮記念(G1)を勝利したダノンスマッシュなど、本質的にはスピード型だろう。

 一方で、ドゥラメンテは中長距離路線で活躍。昨年が初年度だった産駒たちは、比較的長い距離のレースが多くなる、古馬となってからが勝負だったはずだ。

 来年は同じく同世代であるリアルスティールや、1つ下のサトノダイヤモンドも産駒がデビューするが、ともにディープインパクト系。キングカメハメハ系からはミッキーロケットやヤマカツエースの初年度産駒が始動するが、現役時の成績からも見劣る面は否定できない。

「ドゥラメンテには種牡馬としての活躍を期待していましたが、今回の早過ぎる死はまさかでしたね……。まだ、デビューを控える産駒が2世代残っていますし、現役馬の古馬になってからの活躍にも期待したいところです。

キングカメハメハの後継種牡馬としては、ロードカナロアは勿論、再来年に産駒がデビュー予定のレイデオロも控えています。早くして亡くなったドゥラメンテの分まで、活躍馬が期待されるところです」(競馬記者)

 レイデオロはドゥラメンテと同じくダービー馬で、母を遡ればディープインパクトと同じウインドインハーヘアがいる血統。母父にはエピファネイアの活躍で存在感を強めているシンボリクリスエスもおり、キングカメハメハ系の次世代を担うエース種牡馬候補といえるだろう。

 ただ、記者も話すようにデビューを控えるドゥラメンテ産駒もまだまだいる。残された産駒から、父を超えるような怪物誕生にも期待したいところだ。

(文=北野なるはや)

<著者プロフィール>
 某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。

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