川田将雅「復縁」も空回りのリアアメリアに効果なし! 元JRA安藤勝己氏「先行勢はかみ合わなかった」と擁護も……、主戦騎手が残した“優等生”過ぎるコメント

 5日、新潟開催の最終日を飾った中距離重賞・新潟記念(G3)を勝利したのは、M.デムーロ騎手とマイネルファンロンのコンビだ。12番人気の大穴で大外一気を決めたデムーロ騎手に手塚師も「凄いな」と舌を巻いた好騎乗。初騎乗ながらこれまで先行策で好走していた馬を脚質転換させる大胆な作戦で導いた勝利といえる。

 最終週ということもあって、まるでアイビスサマーダッシュ(G3)のように、各馬が外へ外へと進路を求めた直線。ただ、教科書通りの外に進路を取りながらも、伸び切れずに9着と敗れてしまったのが、川田将雅騎手とリアアメリア(牝4、栗東・中内田充正厩舎)のコンビだった。

 7着に敗れた昨年のエリザベス女王杯(G1)以来、4戦ぶりの“復縁”となったものの、2歳時にNO.1牝馬と評された馬が、再び輝きを取り戻すことは叶わなかった。

「前半は良い内容でしたし、最後も頑張って走ろうとしていました」

 川田騎手がレース後に残したのは、可もなく不可もなくといった“優等生”過ぎるコメント。言ってしまえば特別大きな期待も失望もないといったところか。

 掲示板上位4頭が4コーナーで二桁台のポジションにつけていた馬だったように、3番手から競馬したリアアメリアを始め、先行勢にとって苦しい展開だったことは間違いない。

 ただ、リアアメリアは川田騎手から初めて福永祐一騎手へと乗り替わった3戦で、レース中のポジションを徐々に下げていったものの、2歳時に見せたような末脚は見られなかった経緯がある。リアアメリアが最後に勝利を挙げた昨秋のローズS(G2)は、2番手から抜け出して快勝していただけに、この先行策は責められないだろう。

 むしろ深刻なのは、仮に後ろからの競馬をしていたとしても、好走していたかどうかは怪しいと感じられたレースぶりである。

「ここで負けた内枠勢は競馬がかみ合わなかっただけで見限れない。特にリアアメリアは復活あるかも」

 レースを振り返った元JRA騎手の安藤勝己氏は、自身のTwitterを通じてリアアメリアについて騎手目線で何かしら感じたようだが、これだけで前向きに受け取るのは難しそうだ。

 リアアメリアは3番手で先行したとはいえ、それより前の2番手で競馬をしていたラインベックにも0秒3の後れを取っただけでなく、上がり3ハロンのタイムでも見劣っている。さらには、最後の直線でラインベックよりも外にいたのだから、少なくとも先行策や直線の内外に関係なく、同馬には完敗といえる内容だ。

「今できる事を精一杯出せていたと思います」

 川田騎手のこのコメントこそが、現在のリアアメリアが置かれている苦しい状況を最も表している言葉ではないだろうか。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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