JRA「ミルコロガシ」という今なお語り継がれる伝説! ライバルと立場逆転を決定づけた最強馬候補との別れ、屈辱を味わった天才が見せた逆襲の兆し
このレースでデムーロ騎手がコンビを組んだのは、1番人気で勝利したサートゥルナーリア。デビューから3戦すべての手綱を取ったパートナーに、二冠馬ドゥラメンテの名前を引き合いに出すほど期待の大きな馬だった。
当時、デムーロ騎手にはアドマイヤマーズというお手馬もいたが、サートゥルナーリア陣営は、翌年にルメール騎手への乗り替わりを発表。同馬の引退時に『netkeiba.com』で連載しているコラム『M.デムーロ世界一になる Road to No.1』にて、乗り替わりを知らされたときにかなり落ち込んだと振り返っていた。これからも、おそらく不本意な結果だったことも察しが付く。
この降板劇の影響は、その後のデムーロ騎手の成績に直撃する。JRA所属初年の11勝から13勝、18勝、15勝と好調だった重賞の成績も19年はわずか3勝。20年も4勝に留まるほどの大打撃。20%前後を誇った重賞の勝率も、ついには一桁台まで落ち込んでしまった。
だが、今年のデムーロ騎手が一味違うのは、以前ほどの馬質を得られない中で、再び上昇気流に乗りそうな気配を感じられるところだ。マイネルファンロンで制した新潟記念の勝利を加え、今年の重賞4勝は9月にして昨年全体の勝利数と同じ。勝率も12.9%と悪くない状況である。
かつての輝きを取り戻すためにも、秋のG1戦線でさらなる大暴れを期待したい。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。