話題の5億円ホース、福永祐一で「菊花賞当日デビュー」決定も不安の声? シャフリヤール2世期待も大塚亮一オーナーに「アノ3.5憶円馬」の暗い影

 いよいよ、超大物のデビューが近付いている。

 2019年のセレクトセール当歳で5億760万円(税込み)で取引された“5億円ホース”リアド(牡2歳、栗東・友道康夫厩舎)が、菊花賞(G1)当日となる10月24日のデビューを予定していることがわかった。鞍上は福永祐一騎手になる見込みだ。

 一昨年のセレクトセールで4億7000万円で落札され、この年の当歳部門の最高額を記録したリアド。管理する友道厩舎の大江助手は『サンスポ』の取材に「全体的にバランスが取れてきました」と好感触。すでにゲート試験をクリアしており、順調に行けば菊花賞当日のお披露目となりそうだ。

 菊花賞当日の新馬戦といえば、やはり「伝説の新馬戦」と呼ばれる2008年があまりに有名だ。勝ったアンライバルドは翌年の皐月賞馬、2着リーチザクラウンは日本ダービー(G1)2着馬、3着ブエナビスタは桜花賞・オークスを勝った二冠馬、4着スリーロールスが菊花賞馬と、まるで翌年のクラシックの縮図のような超豪華メンバーがしのぎを削った。

 また友道厩舎というと、今年のダービー馬シャフリヤールが、まさに福永騎手で昨年の菊花賞当日にデビューを果たしており、陣営からもリアドにかける高い期待が伝わってくる。超良血ディープインパクト産駒のターゲットは当然、来年のクラシックに他ならない。

 しかし、その一方で早くも不安の声も聞こえてくる。

「確かに良い馬なんですが、この馬が5億円ホースというのは個人的には少し驚きです。兄弟はコンスタントに重賞を勝っている手堅い血統ですが、G1となるとギルデッドミラーのNHKマイルC(G1)3着が最高成績。ディープインパクト産駒との配合が初めてなので期待値は高いですが、値段が値段だけに正直不安の方が大きいような……。セレクトセールの高額馬は走らないというジンクスもありますしね」(競馬記者)

 毎年、ノーザンファームが主催となって日本屈指の良血馬が集うセレクトセール。ディープインパクトやキングカメハメハなど、セール出身の活躍馬を挙げれば枚挙に暇がないが、記者が語る通り、何故か超高額馬になると期待された結果を残せずにいる。

 特にリアドはセレクトセール史上5位という極めて高い落札額。ベスト10で重賞を勝った馬はおらず、現役では2位のアドマイヤビルゴが重賞の壁に直面している一方、11位のザレストノーウェアは先日行われた未勝利戦の最終週で見せ場なく敗れている。

「そのリアドが当歳の最高額で競り落とされた前日、1歳の最高額で落札されたのがザレストノーウェアでした。しかも、両馬とも落札したのは近藤利一さんで、亡くなった後に大塚亮一オーナーに引き取られ、友道厩舎に預けられた流れもまったく同じです。

もちろん、ザレストノーウェアとリアドはまったく関係ないですし、G1を勝ってもおかしくないだけの血統馬。大塚オーナーにしても3億8880万円(税込み)で取引されたザレストノーウェアが期待ほど走らなかったことはショックでしょうし、リアドでリベンジしたい気持ちは強いと思います」(同)

 大塚オーナーの所有馬で菊花賞当日デビューといえば、ちょうど1年後に菊花賞馬に輝いたワールドプレミアがいる。

 果たして期待の5億円ホースはワールドプレミアに続くのか、それともザレストノーウェアに続いてしまうのか。菊花賞当日にもう1つ、大きな注目を集めるレースになりそうだ。

(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

関連記事

競馬最新記事

人気記事ランキング 5:30更新

競馬

総合

重賞レース特集
GJ編集部イチオシ記事
SNS