JRA【府中牝馬S(G2)展望】戸崎圭太マジックキャッスルVS川田将雅デゼルが一騎打ち! ドナアトラエンテはC.ルメールとコンビ復活で重賞初Vのチャンス
16日には東京競馬場で府中牝馬S(G2)が行われる。過去10年でこのレースをステップに4頭がエリザベス女王杯(G1)を制している。今年は4歳馬を中心に好メンバーがそろいそうだ。
昨年の秋華賞(G1)でデアリングタクトの2着に好走したマジックキャッスル(牝4歳、美浦・国枝栄厩舎)。これまで12戦して2勝と勝ち味には遅いが、掲示板を外したのは出遅れがたたって12着に沈んだ桜花賞(G1)だけと安定感がある。
東京コースでは、クイーンC(G3)で4番人気2着、オークス(G1)では14番人気5着、そして今年のヴィクトリアマイル(G1)は5番人気3着と人気以上の好走を見せてきた。
ヴィクトリアマイル後は、クイーンS(G3)で重賞2勝目を狙ったが、ゴール前でテルツェットの強襲に遭いクビ差の2着。434kgと小柄なマジックキャッスルには初の56kgという斤量が堪えた印象だ。
コンビを組むのは「2-3-1-0」と好相性の戸崎圭太騎手。今度こそ勝ち切って、秋の最大目標エリザベス女王杯に向かいたい。
マジックキャッスルと同じデアリングタクト世代のデゼル(牝4歳、栗東・友道康夫厩舎)は、3戦連続となる川田将雅騎手とのコンビで臨む。
これまで東京コースは「2-0-0-2」だが、1800mに限ればスイートピーS(L)と初音S(3勝クラス)を快勝した得意な舞台だ。
昨年のオークスで2番人気に支持された素質馬は、今年4月の阪神牝馬S(G2)で重賞初制覇。続くヴィクトリアマイルでは4番人気の支持を受けたが、勝ったグランアレグリアから0秒9差の8着に敗れた。ただし2着ランブリングアレー、3着マジックキャッスルとの差は0秒2と2着以下との力関係はほぼ互角だったといえるだろう。
今回は5か月ぶりの実戦となるが、先月30日(木)の2週前追い切りでは、栗東坂路でこの日の2番時計となる51秒1を記録。1週前の栗東CWでは3頭併せで再先着を果たすなど調整は順調。ただし、3か月以上の休み明けは4着、3着と連を外しており、レース当日の気配は気になるところだ。
ジェンティルドンナの全妹、ドナアトラエンテ(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)が4戦ぶりにC.ルメール騎手とコンビを再結成してエリザベス女王杯の権利獲りを狙う。
その血統背景もあってデビュー前から大きな期待をかけられてきたが、オープン入りしたのは5歳となった今年1月だった。その後は、牝馬限定重賞で9着、2着、11着。唯一好走したのは新潟1800mで行われた福島牝馬S(G3)だった。
デビューから左回りコースを主体に使われ、実際に右回りの「1-1-0-2」に比べると、左回りでは「3-4-1-0」と結果を残している。「3-3-0-0」と相性抜群のルメール騎手が配された今回は、重賞初制覇の大チャンスといえるだろう。
ドナアトラエンテと同じ5歳のアンドラステとシャドウディーヴァも侮れない。
アンドラステ(牝5歳、栗東・中内田充正厩舎)は、2走前の中京記念(G3)で待望の重賞制覇を飾った。しかし、前走・関屋記念(G3)は道中の位置取りがやや後ろすぎたか、キレ負けする形で8着に敗れ、巻き返しを図る。
昨年このレースで2着に入ったシャドウディーヴァ(牝5歳、美浦・斎藤誠厩舎)は東京巧者としても知られる。この1年間は好走と凡走を交互に繰り返しており、パターン通りなら今回は好走する番。福永祐一騎手を背に重賞初制覇を狙う。
この他には、重賞2勝の実績馬マルターズディオサ(牝4歳、美浦・手塚貴久厩舎)、M.デムーロ騎手への乗り替わりで勝負気配が漂うミスニューヨーク(牝4歳、栗東・杉山晴紀厩舎)の4歳馬2頭も一発の可能性を秘めている。
古馬牝馬の今後を占う重要な一戦を制するのはどの馬か。発走は16日15時45分予定となっている。