JRA 怪物「キズナ2世」リブーストがデビュー2連勝!「勝つと思ってはいたが、ここまでとは」佐々木調教師の度肝を抜いた驚愕の走り

 これが本領発揮ということだろうか。

 16日、阪神競馬場で行われた紫菊賞(2歳1勝クラス)は、1番人気のリブースト(牡2歳、栗東・佐々木晶三厩舎)が勝利。単勝1.3倍に応えて2連勝を飾ったハービンジャー産駒が、来年のクラシックへ大きく前進した。

「強い。勝つと思ってはいたが、ここまでとは……」

 かつてダービー馬キズナや、宝塚記念(G1)を勝ったタップダンスシチーを手掛けた佐々木調教師が唸るのも当然か。2着ブルーグロットにつけた着差は3馬身半という決定的なものだったが、それ以上の強さを見せつけた。

 7頭立てで行われた芝1800mのレース。課題のスタートを無難にクリアしたリブーストだったが、ダッシュがつかずに後方から。1000m通過が59.2秒というタイトなペースだったが、3コーナーから進出を開始すると、最後の直線入り口では先頭集団を射程圏に捉えていた。

 “リブースト劇場”が幕を開けたのはここからだ。鞍上の幸英明騎手の「ジワジワと出していきました」という言葉通り、じょじょに加速するとあっという間にライバルたちを置き去りにした。「直線では『間違いなく勝てる』と思いました」と鞍上が話した通り、完全に力が上だった。

「デビュー戦ではスタートで遅れた上に、勝負所で川田将雅騎手が外に出そうとしましたが、もたれて出せず。万事休すというところを能力だけで抜けてきました。馬体も余裕残しで佐々木調教師も『まだ七分まで仕上がってない。よく勝てたな、と」と驚いていましたよ。

この日はそのデビュー戦から-16kgと大幅にシェイプアップ。まだ粗削りな面はありますが、初戦とは明らかに動きが違いました。しかし、川田騎手も『動けるようになれば楽しみ』とは言っていましたが、まさかあそこまで強い競馬を披露するとは……。

2着に敗れはしましたが、厳しいペースを逃げ粘ったブルーグロットも3着馬を4馬身突き放していますし、本当に良い馬。ただ、それでもこの日のリブーストはちょっとモノが違いました。これは2歳世代の勢力図が覆ったかもしれません、相当な器だと思います」(競馬記者)

 レース後、幸騎手が「この馬自身はまるで調教のようでしたし、力が違いました」と言えば、佐々木調教師も「クラシックに行ける馬。だんだん強くなっている」と、その素質に太鼓判。

 サウジアラビアロイヤルC(G3)を勝ったコマンドラインなど、素質馬が揃うサンデーレーシングから、また1頭大物候補が登場した。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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