JRA M.デムーロ「指示無視」騎乗で敗戦に賛否、騎乗馬に距離の不安もファンは「全然追ってない」
先週17日、阪神競馬場で行われたもみじS(OP)は、幸英明騎手が騎乗した2番人気カジュフェイスが勝利。父エイシンヒカリを彷彿させる見事な逃げ切り勝ちで、次走は暮れの大一番・朝日杯FS(G1)への参戦を明言した。
一方、5番人気で3着だったジャスパークローネ(牡2歳、栗東・森秀行厩舎)の鞍上M.デムーロ騎手には、人気以上に持ってきたにもかかわらず、その騎乗ぶりは少々残念に映るシーンもあった。
「前走はハナに行って直線フラフラしました。先生はハナに行ってということでしたが、スタートが頭を上げて他に行く馬がいたので初の1400mということもあり2番手でもいいかと思いそこから運びました」
レース後のデムーロ騎手のコメントによると、逃げの手に出なかったのは自身の判断ということらしい。
6頭立ての少頭数で行われた芝1400mの一戦。頭を上げながらスタートを切ったジャスパークローネとデムーロ騎手だったが、すぐに体勢を立て直すと好位の2番手をキープ。前半600m36秒2のスローな流れを行きっぷりよく追走し、逃げるカジュフェイスを前に見ながら4コーナーを回り終えた。
最後の直線に入ると、手綱を激しく動かし始めた幸騎手とは対象的に、デムーロ騎手は軽く促して気合いを付ける程度。いつでも前を交わせる手応えなのかと思いきや、差は縮まるどころか逆に徐々に開いていく……。
ラスト100m付近で後続が迫ってくると、ようやく強めに追われたが、最後はテーオースパローに交わされて3着でフィニッシュした。
「うーん、最後まで全力で追われることなくゴールしていましたね。まだ手応えが残っているようにも見えましたが、実際のところは一杯だったのかもしれません。
ちなみに、ジャスパークローネは前走のカンナS(OP)でも、最後の直線を一度は楽な手応えで抜け出しながらも、内にモタれて、最後は流すような形でレースを終えています」(競馬誌ライター)
ただ、気になったのは、「真面目に走っていましたが最後苦しくなりました。1200mの方が良いようにも思います」とも続けていることだ。見ている側には、手応えが残っているように感じても、実際のところは一杯だったのかもしれない。
距離の不安を感じさせた今回のレースだったが、ネットの掲示板やSNSでは「全然追ってない」「何やっているんだ」など、同騎手に対してやや批判的なコメントも付くこととなってしまった。
なお、デムーロ騎手はこの日行われた秋華賞(G1)で、オークス馬のユーバーレーベンに騎乗するも、見せ場なく13着に敗退するなど、この日はやや精彩を欠いていた感も否めなかった。今後の巻き返しに期待したいところだ。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。