JRA川田将雅「裏切り」続きで評価急落!? 頼みの綱ダノックスも結果残せず、伝説の新馬戦も過大評価の危機?
存在感の際立った春とはまるで別人のような不振が続いている。
8月に新潟2歳S(G3)をセリフォスで制した川田将雅騎手だが、秋競馬の始まった9月に入っていまだに重賞勝利はなし。
気がつけば、新潟記念(G3)9着のリアアメリアからスタートした重賞は11連敗。うち8回で3番人気以内の馬に騎乗しており、決して馬質に恵まれなかった訳でもなさそうなだけに、いよいよ深刻なものとなりつつある。
先週の菊花賞(G1)は、レッドジェネシスとのコンビで1番人気に支持されながら、これといった見せ場も作れずに13着と人気を裏切ってしまった。
陣営はレース前、不良馬場で2着に入った神戸新聞杯(G2)から中3週のローテーションでも、「カイバ食いはいいし、体も減らず、大きなダメージがなかった」と順調さをアピールしていた。
しかし、レース後に川田騎手から、「調整段階で感じなかった前走の疲れが競馬場に来て出てしまったのかな」というコメントが出たように、目に見えない疲れが影響したのかもしれない。相手が生き物である以上、実際のところは分からないとはいえ、秋の川田騎手が人気を裏切り続けていることは事実。これには本人も思うところがあるだろう。
そろそろ反撃に期待したいところだが、今週末も過度な期待を持つのは危なそうだ。
まず、最初に連敗ストップを狙うのは、土曜阪神のスワンS(G2)でコンビを組むダノンファンタジー(牝5、栗東・中内田充正厩舎)だ。主戦を任されているパートナーだが、唯一のG1勝利はC.デムーロ騎手に乗り替わった阪神JFでのもの。
直近の重賞は、昨年末に阪神C(G2)を勝利しているが、このときは藤岡佑介騎手が騎乗していた。川田騎手とのコンビで勝利を挙げたのは、2年前の9月となるローズS(G2)まで遡る必要がある。5連敗中のコンビということを加味すれば、苦戦は必至だろう。
そして重賞でこそないが、スワンSよりも勝負度合いが強そうなのは、同日9Rの萩S(L)に出走するダノンスコーピオン(牡2、栗東・安田隆行厩舎)。元JRA騎手の安藤勝己氏をして、「伝説の新馬戦」とも評されたデビュー戦を見事に勝利した注目の1頭である。
ここを通過点に次走で重賞勝ちを狙いたいところだが、過度な期待を持つのは危険かもしれない。デビュー戦でクビ差の辛勝だった2着馬のルージュラテールが先日のアイビーS(L)で6着と振るわなかったことは懸念材料。このレースで手綱を取ったのも川田騎手だった。
最後に大一番の天皇賞・秋(G1)が残っているが、勝利を掴むには相手関係が厳し過ぎる印象だ。一度は手放したポタジェと復縁が決まったものの、コントレイルやグランアレグリアに3歳最強クラスのエフフォーリア相手ではさすがに分が悪い。
川田騎手自身の調子も一向に上がってこない現状では、連敗地獄からの脱出はもう少し先になりそう。失ったファンの信頼を取り戻すためにも奮起に期待したいところだ。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。