JRA天皇賞・秋(G1)福永コントレイルに「横山一家」の包囲網!? 前門の虎、後門の狼からエフフォーリアの逆転なるか

エフフォーリア 撮影:Ruriko.I

 31日、東京競馬場で行われる第164回天皇賞・秋(G1)。枠順も確定して、後はゲートが開く瞬間を待つだけと、次第に気分が高まってきたファンも多いだろう。

 その枠順を見渡せば、同じ3枠に兄弟ジョッキーが揃い踏み。3枠5番から“3強”の一角、皐月賞馬エフフォーリアで挑むのが弟・横山武史騎手で、隣の6番トーセンスーリヤに騎乗するのが兄・横山和生騎手と、兄弟揃って赤い帽子を被っての「盾」挑戦となる。

 2人に対して、黄色い帽子の5枠10番に入ったのがカイザーミノルに騎乗する父・横山典弘騎手だ。こちらの同枠9番にはグランアレグリアが位置しており、“3強”のうちの1頭を隣に見ながらスタートする。

 そんな中、元JRAジョッキーの安藤勝己氏が自身のYouTube『アンカッちゃんねる』で展開予想を披露。ゲートが開いてからカレンブーケドールらと共に先行するのが横山和騎手のトーセンスーリヤと、横山武騎手のエフフォーリアがつけると予想。“3強”の残り2頭は、その直後に位置するのでは……と語っている。

 そこで気になるのが、父・典弘騎手の手綱さばきだ。カイザーミノルは、鮮やかな差し切り勝ちを決めた前々走の朱鷺S(L)で出走馬18頭中、道中は7番手につけている。今回もそうなれば福永祐一、C.ルメールの両騎手は、“横山一家”に挟まれる隊列でレースを進めることになる。

 もちろんレースは「生き物」であり、予想通りの展開になるとは限らない。しかし安藤氏も予想する通り、単騎逃げこそないだろうが前目につける兄・和生騎手と、一週間前の菊花賞(G1)で逃げ切り勝ちを見せた弟・武史騎手の両兄弟がレースを引っ張る展開は十分に予想できる。

 さらに自らのペース配分を守り、レースを進める福永騎手とルメール騎手。中国で古くから伝わる諺(ことわざ)に「前門の虎、後門の狼」という言葉がある。表門で虎の侵入を防いでも、裏門から狼が侵入してくることを例に挙げ、ひとつの災いを逃れても、別の災いに遭うという意味だ。

 人気を背負うことが予想される福永騎手やルメール騎手にとって、“横山一家”は「前門の兄弟、後門の父」といったところか。天皇賞・秋を大いに盛り上げる横山ファミリーの三者三様の騎乗ぶりに注目したい。

(文=鈴木TKO)

<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。

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