【JBCクラシック(G1)展望】オメガパフューム&チュウワウィザード中心も、小回り金沢で「地方の雄」カジノフォンテンに大チャンス!テーオーケインズ4連勝で戴冠も!?
3日(水・祝)には地方競馬の祭典「JBC」3競走が金沢競馬場で開催される。ここでは2100mで行われるJBCクラシック(G1)を展望していきたい。
ホッコータルマエが制した2013年以来、2度目となる金沢でのJBC開催。2100mのスタート地点は2コーナーの出口付近で、コーナーを6回通過する。直線距離は236mで、浦和競馬場の220mとほぼ同じだ。
G1通算4勝の実績が光るオメガパフューム(牡6歳、栗東・安田翔伍厩舎)は、苦手の小回りコースを克服できるかどうかが注目される。
G1・4勝の内訳は東京大賞典3連覇(18~20年)と19年帝王賞(G1)。つまり、すべて大井2000mというコース巧者。しかし、前走の帝王賞は道中でいつも通りのズブさを見せたまでは想定内だったが、直線でも伸びを欠き5着。このコースで初めて連対を外す結果に終わった。
脚質的に直線の短い金沢は割引が必要で、大目標も年末の東京大賞典なのは間違いない。休み明けのここは取りこぼす可能性は決して低くないだろう。M.デムーロ騎手に何らかの秘策がないと、好走は厳しいかもしれない。
浦和開催だった19年のJBCクラシック覇者チュウワウィザード(牡6歳、栗東・大久保龍志厩舎)。その後は、昨年に川崎記念(G1)とチャンピオンズC(G1)を勝ち、実績面ではオメガパフュームと双璧の存在だ。
今年は春先に海外遠征に挑戦。サウジCは9着に敗れたが、ドバイWC(G1)では巻き返しに成功し、2着に健闘している。
帰国後初戦の帝王賞は2番人気に支持されたが、見せ場なく6着に敗れ、それ以来の競馬。2000mを超えるレースはこれまで3戦3勝で、2100mへの距離延長はプラスに働くだろう。枠順もロスがない最内1番枠を引き当て、追い風が吹いている。
鞍上はこのレース9度目挑戦の戸崎圭太騎手。南関東の元エースも通算「0-1-0-7」と、厚い壁に跳ね返されてきた。陣営はここを勝ってチャンピオンズC連覇への道筋をつけたいところだ。
地方の雄、カジノフォンテン(牡5歳、船橋・山下貴之厩舎)は、帝王賞10着からの巻き返しを図る。
昨年はG1初挑戦となった東京大賞典を9番人気で2着に好走。続く川崎記念を逃げ切ってG1タイトルを手にすると、続く京成盃グランドマイラーズも逃げ切り勝ち。さらに、5月のかしわ記念(G1)も早め抜け出しの横綱相撲でソリストサンダーらの追撃を抑え込んだ。
4連勝を狙った前走の帝王賞はオメガパフューム、チュウワウィザードとともに3強を形成。ハナを奪い、自分のペースに持ち込んだかに見えたが、直線で失速し、自己ワーストの10着に沈んだ。
それでも地方競馬ファン投票で1位に輝くなど、期待は大きい。前走からは4か月ぶり、フレッシュな状態で臨める今回は自慢の二枚腰を発揮できるか。
前走・帝王賞で3強をまとめて破ったのがテーオーケインズ(牡4歳、栗東・高柳大輔厩舎)だ。
昨年末の東京大賞典で0秒2差の6着に敗れて以降は3連勝と勢いはメンバー屈指。前走は4番人気だったが、好位追走から上がり最速の末脚を繰り出しG1初制覇を飾った。
今回は4か月ぶりの実戦となるが、2か月以上の休み明け成績は4戦4勝とむしろプラス。4連勝で、ダート界の世代交代を印象づけることはできるか。
ダノンファラオ(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)は、前哨戦の日本テレビ盃(G2)2着からの戴冠を狙う。その前走はキャリア16戦目で初めて道中4番手という位置取り。しかし、直線でしぶとく脚を伸ばし、サルサディオーネに半馬身差まで迫った。
鞍上は前走に続き横山武史騎手が務める。菊花賞(G1)、天皇賞・秋(G1)と2週連続で制した勢いは本物。ダノンファラオは昨年のJDD(G1)以来となるG1制覇を狙う。
この他には、京都で開催された18年JBCクラシック覇者のケイティブレイブ(牡8歳、美浦・清水英克厩舎)、兵庫転入初戦となった笠松での前走オータムCで2秒7差の圧勝を演じたテーオーエナジー(牡6歳、兵庫・橋本忠明厩舎)、末脚堅実なミューチャリー(牡5歳、船橋・矢野義幸厩舎)などが上位をうかがう。
6歳馬オメガパフュームとチュウワウィザードが古豪の意地を見せるのか、それともテーオーケインズが連勝を伸ばすのか。今年はカジノフォンテンはじめ地方馬にもチャンスがある。注目のJBCクラシックは3日16時20分に発走予定だ。