JRA武豊、武幸四郎調教師を「裏切り」の予感…!? ウォーターナビレラ3連勝で阪神ジュベナイルF(G1)主役候補に浮上も、胸中には「あの馬」?

 6日、阪神競馬場で行われたファンタジーS(G3)は、2番人気のウォーターナビレラ(牝2歳、栗東・武幸四郎厩舎)が勝利。武幸四郎調教師は2019年3月のファルコンS(G3)に続く嬉しい重賞2勝目、兄・武豊騎手とのコンビで初めての重賞勝利となった。

 10頭立て、芝1400mのレース。好スタートを決めたウォーターナビレラは、ハナを主張したナムラデイリリーを行かせる形の2番手からの競馬。掛かり気味に後続を離して逃げるナムラデイリリーが刻んだタイムは600m通過が34.4秒とまずまずの流れだった。

 ナムラデイリリー先頭のまま最後の直線を迎えると、ウォーターナビレラとナムラクレアが併せ馬の形で一気に先頭争いへ。1、2番人気2頭の叩き合いになるかと思われたが、最後はウォーターナビレラが力強く抜け出してデビュー3連勝を飾った。

 昨年のメイケイエールに続く連覇を決めた武豊騎手は「(実弟の武幸四郎調教師との重賞制覇は)初めてですし、よかったです。母親が喜んでいるんじゃないですかね」と感慨深いコメント。新種牡馬シルバーステートの産駒が、無敗のまま12月の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)の有力候補に躍り出た。

 競馬界を代表する兄弟コンビが送り出すウォーターナビレラだけに、本番でも大きな注目を集めそうだが、その一方で複雑なのは武豊騎手ではないだろうか。

「武豊騎手にはデビュー戦から手綱を取って9月の野路菊S(OP)を勝ったロンというお手馬がおり、阪神ジュベナイルFへの出走が濃厚です。

野路菊Sで牡馬相手に4馬身差で圧勝した上に、オーナーが親交の深いキーファーズということもあって、武豊騎手は当初ロンで2歳女王決定戦に挑むつもりだったと思いますが、ウォーターナビレラの出現は嬉しい誤算でしょうね」(競馬記者)

「とてもセンスのある馬で、いいポジションでレースできました。まだ負けていない馬。強いですよ。まだまだ、もっと強くなりそうな馬です」

 レース後、そうウォーターナビレラを絶賛した武豊騎手。果たして、レジェンドにとって無敗の女王候補は心強い味方となるのか、それとも厄介な難敵となるのか。12月の女王決定戦に、また一つ興味深い要素が生まれた。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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