元JRA安藤勝己氏が武豊に“人違い”を指摘!? みやこS(G3)「アレって止まり方」コンビ復活クリンチャーにダメ出し
7日、阪神競馬場で開催されたみやこS(G3)は、浜中俊騎手の5番人気メイショウハリオが優勝。2着に6番人気ロードブレス、3着にも10番人気アナザートゥルースが入り、3連単の払戻は36万9130円という大波乱となった。
メイショウハリオは5月に薫風S(3勝クラス)を制してオープン入り。ここまでOPクラスを2戦して連続2着と惜敗していたが、初挑戦となった重賞で嬉しい勝利を手に入れた。
そんな勢いある4歳馬に対し、1番人気で6着という物足りない結果に終わったのは、昨年の覇者クリンチャー(牡7、栗東・宮本博厩舎)だ。
鞍上の武豊騎手にとっては4歳時にフランスの凱旋門賞(仏G1)にも挑戦したパートナー。約3年ぶりとなるコンビ復活ということもあって、勝利を期待したファンも多かったに違いない。
「4コーナーでは形ができたと思ったんですが、直線は伸び切れませんでした」
レース後、武豊騎手がそうコメントしたように、最後の直線で外目を進出したクリンチャーの手応えは確かに悪くなかったはず。ところが、いざこれからというところで伸びを欠き、後方待機策を採っていた馬の餌食となってしまったのは残念である。
フルゲート16頭立てのダート1800m戦。無難にスタートを決めたクリンチャーと武豊騎手は、先行馬群の5番手につける。3コーナーから徐々に進出して、最終コーナーで3番手なら勝ちパターンに持ち込んだといえるだろう。
にもかかわらず、クリンチャーが不甲斐ない競馬をしたことは、少々不可解にも感じられる。近走の好成績はいずれも積極的な進出からのもの。今回、武豊騎手の騎乗もこれまでと大きな差はないように思えるが……。
しかし、こちらについて元JRA騎手らしい独自の見解を披露したのが安藤勝己氏だ。
自身の公式TwitterでみやこSを振り返った安藤氏は「クリンチャーがアレって止まり方。ガッツリ動かす騎手向きなんやろな。それもあって道中で脚がタマってた馬のワンツー」とツイート。それとなく武豊騎手と手が合わなかったかのようなニュアンスでクリンチャーを評した。
「安藤氏の言葉通り、後方待機策の馬がワンツーを決めた展開ではありました。ですが、逃げた馬が3着に残ったことを考えると、クリンチャーが力負けしたことに変わりはありません。
ただ、“ガッツリ動かす騎手向き”という表現は、暗に川田将雅騎手のことを指しているようにも感じます。同馬の切れないバテないという持ち味からすれば、武豊騎手の乗り方がお手本のように綺麗過ぎたという意味でしょうか」(競馬記者)
とはいえ、上位人気馬が揃って敗れていることもまた事実である。2番人気メイショウムラクモは5着、4番人気スワーヴアラミスは7着、3番人気オーヴェルニュに至っては、12着と大敗している。
後ろにいた組がワンツー決着したことを考慮すると、あれより早くクリンチャーが動いていたとしても、勝ち負けまであったのかとなると判断は難しいところだ。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。