JRA「流石にうまく行き過ぎ」今話題の大物馬主がぽつり、勝ち上がり率は驚愕の80%! 23億円投資の裏に素人離れした勝負勘
ど派手な勝ちが相次いだ13日の阪神競馬場。2歳未勝利戦ではジャングロ(牡2歳、栗東・森秀行厩舎)が後続に3馬身半差をつけ、逃げ切って快勝した。
この勝利により所有2歳馬5頭のうち、なんと4頭が既に勝ち上がりという抜群の好成績を収めている馬主がいる。今年馬主デビューを果たし、競馬アプリ『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)の大ヒットでも知られるサイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏だ。
『netkeiba.com』のデータベースで計算をしたところ、既に1回以上レースに出走した現役2歳馬の勝ち上がり率は16.9%であった。藤田氏所有馬の勝ち上がり率80%というのが、いかに驚異的な数字かがわかる。
これにはご本人も驚きを隠せない様子で、公式Twitterでは「5頭中4頭勝ち上がりは流石に上手く行き過ぎている。。」と呟いている。
なぜ馬主デビューの年にも関わらず、これほどの好成績なのだろうか。9月の『スポーツ報知』のインタビューに興味深い話がいくつかある。
馬の購入について、馬主はビジネスでもロマンでもないと前置きしたうえで、「すごく勝ちたいという気持ちが強いです」「勝てそうな馬を一生懸命に見ました」と語っている。
また、「個人大馬主になるつもりで、できるだけそこに最短距離でいけるような資金の使い方で入ったつもりです。重賞を何勝もできる馬主を目指していこうと思っていますね」と、優れた相馬眼を持つことで知られる金子真人氏や、サトノの冠名で有名な里見治氏の名を挙げた。
ゲーム『ウマ娘』のイメージが強い藤田氏であるが、実は素人離れしたギャンブルの才覚があるようだ。自身の書籍の中で、学生時代にプロ雀師と雀荘で働いていた経験を語っている。
「雀荘で働くほとんどの雀師は負けてしまいます。しかし、私はここで働いていた1年くらい、月間を通じて一度も負け越したことはありませんでした」「小学4年生のときに優勝した将棋と同様、ゲーム事が私は妙に得意で、マージャンも非常に得意だったのです」という驚きのエピソードだ。
ビジネスで人を採用することについても、「私は採用に関しては、最初から類稀な能力を発揮していたと思います」「採用力は競争力だ――。」と力強いコメントをしている。
麻雀と競馬・人と馬。種類は違えど、これだけギャンブルに長けていて人を見抜く力もあるとなれば、そんな藤田氏の購入する競走馬に注目するなという方が無理な話であろう。
7月のセレクトセールでは現1歳馬を12頭、当歳馬を6頭購入したことを明かしている藤田氏。計18頭で23億円超という驚きのお値段だが、ご本人的には30億円用意していたので予算が余ったという。
所有馬達は今後どのような活躍を見せてくれるのか。『ウマ娘』のキャラクターとなれるような、名馬の誕生に期待したい。
(文=鹿取文)
<著者プロフィール>
平日は会社員、土日はグリーンチャンネル三昧の日々を送る。幼少期にグラスワンダーが勝った宝塚記念を生観戦、絶叫する親族にドン引きするも二十年経ち気づけば自分も同じ道へ。逃げ馬の粘りこみが好き。