JRAマイルCS(G1)第二のアカイイト見つかった!? 「マイルがベスト」シュネルマイスター横山武史も警戒?
14日に阪神競馬場で行われたエリザベス女王杯(G1)は、G1史上6番目の高配当となる3連単339万円馬券が飛び出す大波乱の決着となった。
先週の結果を受けて、今週は穴馬を狙おうと思うファンもいるだろう。そこでまず、今年のマイルCS(G1)における各馬の人気を把握したいところだ。
『netkeiba.com』で公開されている18日現在の単勝予想オッズは、圧倒的な1番人気にグランアレグリア。2番人気シュネルマイスターが続いて二強を形成、離れた3番人気にインディチャンプ、4番人気にサリオスとなっている。
グランアレグリアとシュネルマイスターの2頭の人気が群を抜いており、二強状態のサンデーレーシング勢に他の有力馬が割って入れるかといった構図だろうか。
ただ、グランアレグリアは実績が乏しい中2週の競馬で、シュネルマイスターは初めての関西遠征だ。3番人気候補のインディチャンプも苦手と言われている休み明けで、サリオスも近走の大敗続きが気になるところ。場合によっては上位人気4頭がこぞって着外になった先週と同じケースも十分考えられる。
そこで狙いたいのが、「第二のアカイイト」になり得る馬だ。阪神競馬場は開催が進んで芝がそろそろ傷み始めた頃。先週のエリザベス女王杯で外の馬場を走った馬が上位に顔を出していたように、大外から一気に末脚を発揮できる配当妙味のある馬を狙いたい。
そんなこんなでオススメしたいのが、現在12番人気想定の大穴ダーリントンホール(牡4歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。
同馬はサリオスと共に昨年のクラシックを盛り上げた1頭。近年の勝ち馬に後のG1馬が名を連ねる出世レースの共同通信杯(G3)を制したこともある。しかし共同通信杯を最後に、5着が最高順位となかなか結果を出せていない。
ただ、久々に掲示板圏内へ入った前走の富士S(G2)に見どころがあった。
中山金杯(G3)の殿負けから約10ヶ月ぶりのレース。久しぶりの実戦の影響かスタートの出が悪く、後方からの追走を余儀なくされた。前から数えて15番手で直線を迎えたが、前が馬群で塞がってしまい、鞍上のステッキは入れようにも入れず。坂を上がって馬群がバラけて、ようやく追い出しに入ったが既に残り200m。勝負の大勢は決しており、掲示板争いに加わるのが精一杯だった。
「道中でダーリントンホールとほぼ同じ位置にいたサトノウィザードらが上位に入っていますから、後方にいた馬へ展開が向きました。ただ、2・3着馬と異なってダーリントンホールは残り200mを切るまで、追い出せなかったという状況のなか、よく5着まで伸びてきたと思います。
パトロールビデオを見てもゴール後も伸びて、勝ったソングラインのすぐ後ろまで来ていますから、まだ使える脚は残っていたようにも見えます」(競馬誌ライター)
そして富士Sのダーリントンホールの走りを絶賛しているのが、コンビを組んだ横山武史騎手だ。同騎手は最後の直線の走りについて「決していい条件ではなかったなかで、直線でこれだけ伸びてきてくれるんですから能力が高いですよ」と好感触。また、これが初のマイル戦だったことにも触れて「マイルがベストなんじゃないかと思います。まだまだ重賞を取れる馬ですよ」と、マイル適性に太鼓判を押していた。
「ノド鳴り(喘鳴症)の手術を受けた馬ではありますが、休養をしっかり取っていますし、陣営のコメントを見てもノドの心配は無さそうです。
シュネルマイスター同様この馬も初めての関西圏でのレースとなりますが、古馬ですから落ち着いて臨むことができれば好勝負可能ではないでしょうか」(同)
最終追い切りでは、東スポ杯2歳S(G2)で人気の中心が予想されるイクイノックス相手に先着。『スポーツニッポン』の取材に対して、木村厩舎の助手は「前走の好走の要因だったフレッシュさをキープできるように意識しています。シャープに動けているし、前走の反動はないのかなと感じている」と、前走並みの状態で走れそうだ。
先週12番人気の馬を3着とタイム差無しの5着へ持ってきた和田竜二騎手との新コンビで、ダーリントンホールが二強ムードに風穴を開けても不思議ではないだろう。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……