武豊騎手が「神騎乗2016」を獲得!キタサンブラックで制したジャパンC(G1)の騎乗に関係者から「絶賛」の嵐!
よく武豊騎手の魔法のような騎乗技術が「ユタカマジック」と表現されるが、マジックとは本来、人を欺くもの。かつて「ターフの魔術師」といわれた武邦彦氏の息子の魔法にも、観ている者だけでなく、レースで戦うライバルたちをも”欺く”ほどの完成度の高さがあるということなのだろう。
また、武豊騎手本人はこのレースの騎乗について、最も神経を使ったのは「スタート」だったという。
「行くんだか行かないんだか、よく分からない姿勢をみせると、他の騎手がハナをたたきにくるかもしれない」と述べ、だからこそ迷わず「先手を取る」という明確な姿勢を周囲に示すことを重要視していたそうだ。
その言葉通り、最内枠から抜群のスタートを切り、わずか数秒でハナに立ってレースの主導権を握った武豊騎手。結果論だが、勝負の大勢はこの時すでに決していたのかもしれない。
東京2400mは本来、逃げ切りが難しいコースだ。良馬場のジャパンCを最初から最後まで逃げ切ったのは、日本馬として初めてジャパンCを勝った1984年のカツラギエースと、昨年のキタサンブラックだけ。
ジャパンCよりも逃げ残る可能性が高い日本ダービーまで視野を広げても、1980年のグレード制導入以降で逃げ切ったのはアイネスフウジン、ミホノブルボン、サニーブライアン、ロジユニヴァースの4頭。いずれも春の2冠馬、もしくは皐月賞で1番人気だった実力馬という「現実」がある。
そういった意味でも、昨年のジャパンCで見せたキタサンブラックの逃げ切りは極めて価値が高く、導いた武豊騎手の技術は称賛されて然るべきものなのだろう。