JRA有名評論家「二度と発信しません」カレンブーケドール引退でひと悶着!? ファンの疑問に応えた大人の対応とは
30日、2019年のオークス、ジャパンCといったG1で2着に入ったカレンブーケドール(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)が現役を引退することが分かった。同馬はG1などの大レースで活躍する一方で、生涯を通じて2勝しかしていないため「最強の2勝馬」とも呼ばれ、善戦しながら勝ち切れないところもまた、ファンから根強い人気がある。
そんな人気馬の引退の一報をSNSでいち早く発信したのが、グリーンチャンネル内の『KEIBAコンシェルジュ』やBSイレブンの『BSイレブン競馬中継』といった競馬番組への出演を中心に、様々な競馬媒体で活躍している競馬評論家の須田鷹雄氏だ。
須田氏は自身のTwitterアカウントで「カレンブーケドール引退決まりました。今日中に報道出ると思います。馬主じゃない私が言うのもおかしいですが、これまでご声援いただいた皆さん、ありがとうございました」と、ツイートした。
しかし、このツイートに対して、多くの競馬ファンが「お疲れ様でした」と、最強の2勝馬を労った一方で、一部のファンから「直接の関係者からの発表前にこのようなことを発信するのはいかがなものでしょうか」といった声も見られた。
これは、各スポーツ紙がカレンブーケドールの引退を報じる約2時間前に、須田氏が「個人アカウント」でフライングとも見られそうな報告をしたことに、疑問を投げかけたということだろう。
これに対し、須田氏は「馬主・調教師とやり取りした上で発信してますけど」と、関係各所に確認を取っていることを説明。続けて「媒体社以外が発信するなということなら二度と発信しません」と、回答する大人な対応をした。
「別に新聞やメディアが発信する情報を待たずとも、SNSをやっている関係者は多数いますから、これといって問題はないと思います。
それにカレンブーケドールの鈴木隆司オーナーは競走馬を購買する際に須田氏がアドバイスをしているほど懇意にしています。
そんな二人の間柄を知っていれば、須田氏が独断で根も葉もない情報を出さないであろうことは想像できたかもしれません」(競馬誌ライター)
先述のツイートの約30分後に須田氏は「よその馬だったらもっとごりごりに許諾を取る」と、情報元へしっかり確認する姿勢をとっていることを改めて強調。さらに「サートゥルナーリアがダービー負けて凱旋門賞を止めたときは、勝己社長と秋田先生に二度ずつ念押しした」と、過去の事例も引き合いに出して、これ以上誤解を生まぬように釘を刺した。
様々な考え方を持つファンがいるSNSの世界だけに、改めて難しさを感じることになった須田氏だが、中央競馬のみならず帯広ばんえい競馬などの地方競馬にも精通し、ファンへ自身の見解や競馬情報を伝えている貴重な存在だ。須田氏の発信する情報を楽しみに待つファンのためにも、これに懲りずに今後もTwitterをはじめ、様々な媒体で活躍することを祈りたい。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……