JRA福永祐一&川田将雅、有馬記念も不参戦!? 朝日杯FS(G1)騎手変更も、さらに高まるリスク…
12日に香港シャティン競馬場で行われる香港国際競走に騎乗する予定となっている川田将雅騎手、福永祐一騎手の両名が、世界的な新型コロナウイルスの感染再拡大に対する日本国内の感染防止対策の為、朝日杯FS(G1)で騎乗出来ない可能性が高くなった。
それに伴い各陣営が代役を発表。福永騎手が騎乗予定だったアルナシーム(牡2、栗東・橋口慎介厩舎)は池添謙一騎手に、川田騎手が騎乗予定だったダノンスコーピオン(牡2、栗東・安田隆行厩舎)は松山弘平騎手への変更が発表された。
また香港へ行く両名は26日の有馬記念(G1)当日も隔離対象期間になる可能性があり、日本人No.1、No.2騎手不在の中で行われる年末の祭典となりそうだ。
池添騎手が騎乗するアルナシームは、近親に今年のダービー馬シャフリヤール、G1・2勝のアルアインがいる良血馬で、7月のデビュー戦を快勝したが前走の東京スポーツ杯2歳S(G2)では制御不能の暴走で敗戦。素質は武豊騎手、陣営ともに高く買っているだけに勿体ないレースとなった。
朝日杯FSでは武豊騎手がドウデュースに騎乗する予定となっているため、福永騎手への乗り替わりが決まっていたが、さらなる変更を余儀なくされた形だ。陣営期待の2歳馬だけに、リーディング3位の名手を確保しての大一番となる予定だったが、出だしから躓くこととなってしまった。
一方、さらに痛いのはダノンスコーピオンの方かもしれない。
デビュー2連勝はいずれも川田騎手が騎乗してのもので、まだ成長途上の2歳馬にとっては勝手知ったる鞍上からの乗り替わりは決して歓迎ではないだろう。そして、なんと言っても所有するダノックスにとって川田騎手はダノンスマッシュやダノンキングリーなど多くの所有馬をG1勝利に導いてくれた名パートナーと言える存在で、2017年にはダノンプレミアムで同レースを勝利している。
ダノックス×安田隆行厩舎×川田騎手というお馴染みのラインで数々のレースを勝利してきただけに、ここでの乗り替わりは陣営にとっては頭が痛いに違いない。
そしてもうひとつ関係者にとって頭の痛い問題が浮上している。
福永騎手、川田騎手の渡航先である香港でも、日本を含む一部の国からの入国の禁止する措置が発表されており、2人が香港入りできない可能性もあるという。
ただ今回は招待レースであることや、一般の旅行客やビジネスマンとは異なる為、特例的に入国が認められる可能性が高い。国内での騎乗を犠牲にしながらも香港へ行くことを決断した福永騎手、川田騎手の決断が報われるのか注目される。
再び新型コロナによって世界中が混乱の渦に巻き込まれ始めている。騎手や馬が自由に世界で活躍し、国内でも競馬場に満員の観客が詰めかける――。そんな日が1日でも早く訪れる事を願いたい。
(文=椎名佳祐)
<著者プロフィール>
ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。