JRA C.デムーロ旋風「年明け続行」に池添謙一もガックリ!? 日本人騎手「無念」続々……短期免許延長で1月シンザン記念(G3)に有力馬スタンバイ

 今月5日のこうやまき賞(1勝クラス)を勝って4戦2勝としたソリタリオ(牡2歳、栗東・西村真幸厩舎)。次走はC.デムーロ騎手と新コンビを結成し、来年1月に中京で開催されるシンザン記念(G3)に向かうことが分かった。

 同馬は一族に、来週の有馬記念(G1)に出走するクロノジェネシスも名を連ねる良血馬。前走でサウジアラビアRC(G3)4着のウナギノボリを抑えて連勝を決めたことで、ここにきて注目度も上昇している。今年のシンザン記念を勝ったピクシーナイトと同じモーリス産駒なので、中京・芝1600mとのコース相性も良さそうだ。注目の1頭となるだろう。

 またそれに伴い、鞍上のC.デムーロ騎手も今月29日までだった日本での騎乗期間を延長、短期免許を再取得するものとみられている。

 先週の阪神JF(G1)では1番人気のナミュールでまさかの出遅れ。期待に応えることができなかった同騎手だが、今週末の朝日杯FS(G1)でも同じく1番人気が濃厚のセリフォスと共に参戦を予定だ。

 昨年の凱旋門賞(G1)をソットサスで制したことで、また一段とレベルアップした感のある同騎手。先月のジャパンC(G1)が行われた週に来日して以降、既に7勝を挙げる活躍を見せている。年明け以降も日本でその姿が見られるのであれば、馬券的にも頼もしい存在となるだろう。

 一方、同ジョッキーが騎乗期間を延長して煽りを受けるのが、言わずもがな日本人騎手たちだ。

 先述のナミュールとセリフォスは、前走ではそれぞれ三浦皇成騎手、藤岡佑介騎手が騎乗。それがG1になると、C.デムーロ騎手へと乗り替わった。特に後者のスイッチに関しては、池添謙一騎手が自身のTwitterに、「世知辛い時代に再突入」と投稿したことでも話題になった。

池添謙一騎手

 そして、その池添騎手がマイルCS(G1)でタッグを組んだグレナディアガーズが、次週25日に行われる阪神C(G2)でC.デムーロ騎手と新コンビを結成することが既に明らかにされている。なおC.デムーロ騎手は、有馬記念ではペルシアンナイトとタッグを組んで挑む予定だ。

「C.デムーロ騎手が短期免許を再取得して、来月以降も日本で騎乗するのであれば、ノーザン系のクラブ馬や、社台グループ生産の有力馬の多くが、今後も同騎手に乗り替わることが予想されます。

また重賞に限らず、平場や特別戦でも実力馬が数多く集まるでしょう。日本人騎手にとっては厳しい状況が、年明けからもしばらく続くことになりそうです」(競馬誌ライター)

 そんなC.デムーロ騎手であるが、来日して現在は兄であるM.デムーロ騎手と同居を始めた様子。SNSに投稿されている画像では、仲睦まじく料理をする風景や、兄弟でトレーニングをしている姿を確認することができる。久々となる日本での生活をエンジョイしているようだ。

 その相乗効果だろうか。兄のミルコ騎手は先週、サークルオブライフで阪神JFを制覇。そして来週に迫った大一番の有馬記念では、吉田隼人騎手に替わってステラヴェローチェと新コンビを組むことが決定した。

 ミルコ騎手が息を吹き返したことで、今後しばらくはデムーロ・ブラザーズの旋風が巻き起こりそうである。この陽気なイタリア人兄弟を相手に、果たして日本人ジョッキーたちは一矢を報いることができるだろうか。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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