種牡馬ホワイトマズル死す。武豊に凱旋門賞制覇を意識させた名馬に流れる「最強」の血

※画像:ホワイトマズル 『JBISサーチ』より

 26日、種牡馬・ホワイトマズルがこの世を去った。

 父馬は80年代の欧州最強馬の誉れ高いダンシングブレーヴ。その血を引いたホワイトマズルは、現役時代の93年にイタリアダービー(G1)を当時のレコードで制覇。その年の凱旋門賞では下位人気ながらも2着に入る好走を見せるなど活躍し、同年のジャパンCにも出走した。

 また競技生活の晩年になると武豊騎手とコンビを結成し、凱旋門賞へ向かう。武豊騎手はこれまで6回凱旋門賞に挑んでいるが、1994年のホワイトマズルへの騎乗から凱旋門挑戦がスタートしている。レースで同馬は優勝候補として名があがっていたものの、残念ながら6着に終わる。この結果に対し、欧州メディアは武豊騎手を『経験不足』と酷評。このくやしさを武豊騎手は忘れたことがないという。

 武豊騎手は後年、「SANSPO.COM」に掲載された元プロ野球選手の山本昌投手との対談企画の中で、経験の話になった際、

武豊「僕も若い頃に今ぐらいの技術、経験があったら…と思うことはありますね。例えば、ホワイトマズルで凱旋門賞に出たのですが、あのチャンスをいま欲しいと思います」

山本昌「今なら勝っていた?」

武豊「ホント、そう思います。フランスでの騎乗経験も浅かったですし、いろいろと経験するにつれて、わかってくる”コツ”とかもあるじゃないですか」

 と明かしている。それほどまでの有力馬であり、武豊騎手にとっては思い入れがある1頭であることは間違いないだろう。

 引退後は日本で種牡馬入り。供用2年目に受胎率が下がるアクシデントがあったものの、02年のオークスを制したスマイルトゥモロー、04年春の天皇賞馬・イングランディーレ、07年の菊花賞馬アサクサキングス、12年ジャパンCダートを勝利したニホンピロアワーズなどのG1ホースをはじめとした、多くの産駒を送り出している。

 昨年からは年齢を考慮し昨年からは種付けを中止していたという。日本競馬界に多大な功績を残したホワイトマズルは27歳の大往生を務め上げた。謹んで哀悼の意を表したい。

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