3歳牡馬唯一の重賞2勝馬ブレスジャーニーが弥生賞回避…。主役不在の牡馬クラシック路線はさらなる「動乱の時代」へ突入か!?
レイデオロの皐月賞直行のニュースに続き、またしても世代トップクラスの実力馬に関わる「不穏」ともいえる報道が流れた。
昨年の2歳重賞・サウジアラビアロイヤルCと東京スポーツ杯2歳Sを連勝し、混戦と目される今年の牡馬クラシック戦線でも最上級の評価を与えられていたブレスジャーニー(牡3 美浦・本間忍厩舎)。わずか250万円という格安のセリ価格、父バトルプランという地味な血統背景から「雑草の星」として競馬ファンの注目を集めていた。
今年の始動戦を今週の弥生賞に定め、一週前登録にも名前があった同馬。しかし火曜日には、各メディアから「出走回避」の報道が。情報はSNSを通じて一気に拡散し、Twitterなどでは「まじか…、けっこう残念だわ」「ヨシトミ先生とのコンビに期待していたんだけどな」といった声がいくつも見られた。
確かに先週の時点から、弥生賞に向けての調整がうまくいっていないことは、なんとなく察しがついていた。ブレスジャーニーを管理する本間忍調教師はデイリースポーツの取材に対し「まだ併せ馬をできるところまでいっていない。次走は馬の様子を見ながら」と、なんとも煮え切らないコメントを返していたのだ。
「厩舎のやり方や馬自体の性質によって異なりますが、一週前追い切りの段階で強い調教が出来ていないということを考えると、休養から帰ってきた後も馬体の成長があまり見られなかったのかもしれません。放牧明けにも関わらず体重が増えてこないタイプの馬は、多くはありませんが存在します。体調面がどんなの状態かはわかりませんが、いずれにせよ、先のある馬のこと。今後を考えればクラシック前の重要な一戦とはいえ、無理をさせない方が無難ではないでしょうか」(競馬記者)
今のところ、もう一つのトライアルであるスプリングS(G2)への出走も未定で、皐月賞への直行となる可能性もあるという。ただでさえ今年の3歳牡馬路線は不作と言われている折、数少ない実力馬のブレスジャーニーすら調整が順調でないとなれば、今年のクラシックはますます混迷を深めたといっても過言ではないだろう。
同馬の回避によって、弥生賞に出走予定のカデナやコマノインパルスはさらに人気を被ることがほぼ確実になった。もしどちらかが強い勝ち方をすればいいのだが、仮にコロッと負けるようなことがあれば……。2017年の皐月賞は近年でも例を見ない「主役不在」の混戦となるかもしれない。