JRA M.デムーロ「愚行、厳罰にすべき」「体幹すごい」……東京大賞典(G1)オメガパフュームで4連覇、控えめ「ほぼ飛行機ポーズ」も賛否
29日、大井競馬場で行われた東京大賞典(G1)は、オメガパフューム(牡6歳、栗東・安田翔伍厩舎)が4コーナーで外に大きく振られる不利をはねのけ優勝。18年から、このレース4連覇という空前絶後の偉業を成し遂げた。
レース後には、川田将雅騎手のクリンチャーと壮絶な叩き合いとなった最後の直線を振り返ったデムーロ騎手。「直線は本当に長かったです。なかなか終わらなかったです」と本音を漏らしながらも、4連覇を達成して「とっても気持ち良いですね」と満面の笑み。「この馬にありがとう、という気持ちです」と相棒を労った。
そんなデムーロ騎手対し、ネット上で疑問を呈するファンもいたようだ。
問題となったのは、ゴール板を通過する瞬間に見せたデムーロ騎手の動作だ。ゴール板を過ぎる直前に両手を手綱から離し、何度かガッツポーズするシーンが映し出されていた。
両手を離していたのは、おそらくほんの数秒のことだろう。デムーロ騎手が手綱から両手を離すパフォーマンスといえば、ゴールする瞬間の「飛行機ポーズ」で物議を醸してきた過去がある。
直近で思いつくのは2019年の東京大賞典。両手を大きく横に広げたシーンが目に焼き付いているファンも多いはずだ。今回は両手を前に突き出す“ほぼ飛行機ポーズ”だったため、悪目立ちはしなかったが、それでも両手を手綱から離していたのは事実だ。
ネット上のSNSや掲示板などでは「(デムーロ騎手の行為は)ゴール直前に手綱から両手を離す愚行。厳罰にするべきだと思います」、「ゴール前に追うのをやめて両手離すのは油断騎乗に該当しませんか?」「騎乗停止だろ」など、“常習犯”のデムーロ騎手に対し、疑問の声が上がった。
一方で「体幹の強さがすごい」と純粋にデムーロ騎手を褒める声もあれば、「飛行機ポーズじゃなかっただけマシ」「悪いのはわかるけど、あれが見たい自分もいる」など批判とも擁護ともとれる声が入り混じっていた。
デムーロ騎手は、これまで「飛行機ポーズ」でJRAから何度か過怠金を科せられたこともある。また処分こそなかったが、2年前の東京大賞典ではJRAとNARの双方からきつくお灸を据えられたことも本人は明かしている。
「今回は4連覇という偉業でしたし、ゴール前は激戦でしたから喜びを抑えきれなかったのでしょう。裏ではJRAもしくはNARから注意を受けたかもしれませんが、飛行機ポーズのような派手さはなかったためか、表面上お咎めはなかったようですね。
たとえ勝利を確信したとしても、やはり危険な行為なので、悪質な場合や繰り返し行われた場合は騎乗停止などの処分があってしかるべきだと思います」(競馬誌ライター)
本件に限らず、JRAには油断騎乗や危険騎乗には厳正に対処してもらいたいところだ。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。