JRA クラシック未出走の4歳馬が天皇賞・春(G1)に向けて「勝ち確」宣言!? ユーバーレーベンらに続くゴールドシップ産駒の「超新星」
今から7年前の2015年の天皇賞・春(G1)。自身3度目の挑戦で念願の天皇賞馬の称号を得たゴールドシップは、生涯でG1を6勝し、オルフェーヴルやドリームジャーニーらと並ぶステイゴールド産駒としても代表産駒の一頭だ。
3歳時には皐月賞(G1)と菊花賞(G1)の2冠を達成。暮れの有馬記念(G1)も勝利し、最優秀3歳牡馬を受賞した。史上初の三連覇がかかった宝塚記念(G1)では、競馬史に残る“大出遅れ”を見せるなど、記憶にも記録にも残る。
種牡馬となったゴールドシップは、初年度産駒から札幌2歳S(G3)を勝ったブラックホールなど重賞馬を輩出。現役では、目黒記念(G2)を勝ったウインキートスやオークス(G1)を勝ったユーバーレーベンなど、毎年数々の活躍馬を出している。活躍している産駒は父同様に、中距離から長距離路線で結果を出している点も血統的に興味深いところだ。
5日(水)に中京競馬場で行われる万葉S(OP)には、ゴールドシップ産駒の期待の“新星”マカオンドール(牡4、栗東・今野貞一厩舎)が参戦する。前走で2勝クラスを勝ったばかりだが、強気の格上挑戦で年始のマラソンレースに登録してきた。
それもそのはず、同馬は3歳クラシック出走こそ叶わなかったものの、20年の京都2歳S(G3)で3着。3歳時には京都新聞杯(G2)で3着と重賞でも好走歴がある。
その実力は折り紙付きで、3走前の木曽川特別(2勝クラス)では2着と惜敗したが、その時の勝ち馬で後の菊花賞3着馬のディヴァインラヴとコンマ1秒差の接戦を演じた。前走の江坂特別(2勝クラス)では2着に2馬身半差をつける完勝を収め、格の違いを見せつけている。
レース後、騎乗していた松山弘平騎手は「手応えには余裕がありました」とコメントしており、まだまだ底知れぬ力を秘めている可能性を予感させた。今回も引き続き松山騎手が手綱を取るのは心強い。
さらに、この馬の中京競馬場での成績は「2-1-2-0」で馬券内率は100%と、相性の良さも抜群だ。京都競馬場の改修工事の影響で、今年も万葉Sが中京競馬場で行われることは、この馬にとっては大きなプラス材料となりそうだ。
現在『netkeiba.com』の予想オッズでは、単勝オッズ1.9倍と断然の1番人気。ハンデ戦ということもあり、今回は52キロで出走できる点も人気に拍車をかけているといえるだろう。黄金世代と呼ばれた現4歳世代の隠れた素質馬に注目が集まっている。
「今回は相手関係を考えても、勝ち負けは必至でしょう。(経験してきた中で)前走の2600mが最長距離なので、天皇賞・春に向けてという意味でも3000mを試したいという意図もあるかもしれません」(競馬誌ライター)
昨年は菊花賞出走をあと一歩のところで逃したが、陣営の見据える先は今年の天皇賞・春だろう。万葉Sを勝って父も勝った大舞台へ駒を進めることが出来るのか。遅咲きのゴールドシップ産駒の今後に期待したい。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?