JRA【中山金杯(G3)予想】今年最初の重賞を勝利で飾る! 手堅く見えるも激走必至の穴馬が波乱を呼び込む
明けましておめでとうございます。今年も予想にお付き合いいただけると幸いです。ということで今年最初の運試し、中山金杯(G3)を予想していきたいと思う。
昨年末のホープフルS(G1)は1着2着までは良かったが、3着のラーグルフがノーマークだった。ローテーションで消したのだが、この馬も前走は2000mのオープン特別を勝っての臨戦だった。チェックは入れるべきだったか。とは言え4着5着も予想した馬が来たので、馬券こそ外れはしたがいい線狙っていたのだと自負している。
さて、予想に戻ろう。
例によって過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データが以下になる。
チャレンジC(朝日チャレンジC時代含む) 7頭
ディセンバーS 6頭
福島記念、金鯱賞 各3頭
マイルCS 2頭
天皇賞・秋、毎日王冠、アルゼンチン共和国杯、中日新聞杯 各1頭
条件特別(3勝クラス) 5頭
となっている。チャレンジC(G3)についてはレース名が変わっていたり施行時期が前後1週くらいのズレがあったりしてはいるが、手頃なローテーションなのだろう。ディセンバーS組は中2週、昨年からは中1週の強行軍となるローテーションだが、使えるうちに使おうという方向性なのだろうか。金鯱賞(G2)は17年から施行時期が3月に変更されているので、度外視していいだろう。
次いで人気順の成績が以下となる。
1番人気 3-1-3-3
2番人気 3-1-0-6
3番人気 2-0-0-8
4~6番人気 2-6-3-19
7~9番人気 0-2-1-27
10番人気以下 0-0-3-65
となっている。荒れるハンデ戦のイメージがあるが、実は思ったより荒れないレースで、3連単はともかく3連複で見ると近3年は万馬券決着だが、それ以前に万馬券は出ていない。その傾向が人気別成績にも出ており、1番人気と2番人気が割と信用できる数字になっている。ここを軸に中穴狙いが正解か。
これを踏まえて「◎」は4番ヒートオンビートとする。
前走はチャレンジCで、1000m62.9秒というスローで流れた上、番手で控えたソーヴァリアントに上がり33.9秒の脚を使われてはなすすべもなく、中団から追い込むも2着に屈した。
ちょいちょい重賞で顔を見るので、重賞ウィナーかと思いきやまだ未勝利。それでも3走前の目黒記念(G2)で重賞初挑戦ながら2着に好走。前々走の京都大賞典(G2)こそ大敗しているが、チャレンジCで再び力を示したというところか。
中山コースが初体験となるのが不安材料だが、戦績を見る限りコースによる得手不得手がなさそう。また、重賞で好走しながらも斤量は据え置きの56kgで走れる恩恵は大きかろう。乗り替わりで横山武史騎手となるが、昨年の大活躍を考えるとここでも上手く立ち回るのではないか。
2番手「○」は多少穴っぽいところで17番スカーフェイスを推す。
こちらも前走はチャレンジC。後方から追い込むも届かず5着に終わっている。ただし、上がり3ハロンは勝ち馬と同じく最速の33.9秒で上がってきているので、切れる脚はある。
ハーツクライ産駒らしく勝ち味に遅い馬で、1勝クラス脱出に8戦、2勝クラス脱出に3戦、3勝クラス脱出も3戦かかるなど、本格化という感じは受けない。が、前々走でオープン入りを果たした後の重賞初挑戦が前走。5着は好走したと言えるのではないか。今回は前々走と同じ斤量で、前走から2kg減はそれなりに効いてくる可能性がある。
「▲」は15番アールスターを指名したい。
前走はディセンバーS(L)。勝ち馬のペースにまんまと乗せられて逃げ切りを許したレースだったが、後方からよく追い込んでの7着。着順で言えば負けている感が強いが着差はわずか0.5秒。好戦したと言えよう。
本馬はさほど名前が売れているわけではないが、20年の小倉記念(G3)を人気薄で勝っているれっきとした重賞ウィナー。もっともここから重賞7連敗、オープン連敗と勝ち鞍がない。実は昨年の本レースにも出走しており、13番人気で5着とそれなりに走っている。
昨年7走して掲示板がやっとという馬ながら、今年も昨年と同じく斤量が56kgと見込まれ過ぎという感はあるが、昨年と違って今年は中1週の強行軍での臨戦。過去に遡ると未勝利戦脱出が中1週での勝利だったので、間隔を詰めた今年は案外いい結果につながる可能性がある。7歳とピークを過ぎた感じもするが、1発に期待できる能力の持ち主ではあるはず。
「△」は7番トーセンスーリヤと16番ウインイクシード、9番ロザムールの3頭とする。
トーセンスーリヤは前走天皇賞・秋(G1)。いつも通りの前目の競馬をしたが、4コーナーを番手で回るとそのまま脚が止まって15着と惨敗。が、前々走の新潟記念(G3)では追い込んでの2着、3走前の函館記念(G3)では先行策から押し切っての勝利と調子落ちしているわけではなく、天皇賞・秋のレースレベルが高すぎたということだろう。
中山コースとの相性も良さそうで9戦して掲示板を外したのはわずか1回。今回はトップハンデとなっているが、この斤量は新潟記念で経験済み。人気しそうではあるが、裏付けるだけの実績があってのもので、押さえは必須だろう。
ウインイクシードは前走カシオペアS(L)とローテーション的には本来切りの馬。だが、20年、21年の本レースに参戦して2着、3着と結果を残している。加えてこちらも中山巧者のようで13戦して掲示板を外したのは2回。斤量は56kgともらっているが、過去にも克服してきたので心配はいらないだろう。やはり押さえておきたい1頭。
ロザムールは前走エリザベス女王杯(G1)で、こちらもローテーション的には切りの馬。敢えてピックアップしたのは中山に比較的良績が残っていることと、道悪巧者である点だ。良馬場でも勝ち星はあるが、中山牝馬S(G3)や七夕賞(G3)での連対はいずれも道悪でのもの。逃げ・先行の戦法がハマれば、現在の馬場状態も合っているので一発あってもおかしくはない。
人気どころではヴィクティファルスが切り。前走菊花賞(G1)とローテーション的にも買えない上に、いくらG3重賞とは言え、古馬との初対戦がここというのも買いにくい。勝ったスプリングS(G2)は重馬場でのものだったので道悪巧者とも予想できるが、その割に同じ道悪の皐月賞(G1)では人気した割に見せ場なく大敗している。まだ底が見えるほどキャリアはないが、積極的に買えるほどの要素はない。
ということで、今回は4番、7番、9番、15番、16番、17番の6頭で3連複BOX20点勝負としたい。
人気している馬が多いので、素直に来てしまうと堅い決着になる可能性もあるが、スカーフェイスやアールスターが激走するとあるいは高配当も望める。
(文=トーラス神田)
<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。