JRA「桜花賞(G1)を目指したい」5馬身差の圧勝は兄以上のスケール感! 大器晩成ヒシイグアスの妹が“早くも”ド派手デビュー

 8日、中山競馬場で行われた6Rの新馬戦は、2番人気のリヴォリ(牝3歳、栗東・藤原英昭厩舎)が5馬身差の圧勝。昨年12月の香港C(G1)を2着したヒシイグアスの妹が、ド派手なデビューを飾った。

「できれば桜花賞(G1)を目指していきたい」

 昨年、シャフリヤールで自身2度目の日本ダービー(G1)制覇を成し遂げた藤原調教師から、早くも“クラシック宣言”が飛び出すのも当然か。それくらい、この日のリヴォリの走りは衝撃的だった。

 16頭立ての芝1600mのレース。好スタートを決めたリヴォリは2枠3番の好枠を活かし、迷わず先頭集団へ。外からハナを主張したエイシンドゥルガーを前に行かせる2番手を確保した。1000m通過が59.7秒という新馬戦としては締まった流れを楽に追走すると、3、4コーナーでは前で飛ばしていたエイシンドゥルガーを射程圏に。

石橋脩騎手

 石橋脩騎手の「直線は反応させたら勢いが違った」という言葉通り、最後の直線入り口でゴーサインが送られると、そこからの走りはまさに圧巻。スッと後続を突き放し、セーフティリードを確保すると、最後は2着フィニッシュムーヴに5馬身差をつけて悠々ゴールした。

「このメンバーでは完全に一枚上の走りでしたね。最後は後続がちぎれたので、全体時計は目立ったものではありませんが、ペースが流れた分、ほぼ力通りの結果になったと思います。

お兄さんのヒシイグアスはハーツクライの産駒なので距離をこなしますが、ダイワメジャー産駒の妹はマイルが合いそうなスピードタイプ。藤原調教師が掲げた桜花賞はもちろん、オークス(G1)よりもNHKマイルC(G1)というタイプかもしれません」(競馬記者)

 記者曰くリヴォリの大きな武器は、その「成長力」にありそうだという。

 実際に、兄のヒシイグアスもスプリングS(G2)5着などクラシックの壁に跳ね返された馬だが、自己条件を地道に勝ち上がってくると5歳になって、その才能が開花。中山金杯(G3)、中山記念(G2)を連勝すると香港Cでも2着し、6歳を迎える今年は飛躍が大きく期待される1頭に名を連ねている。

「レース後、石橋騎手が『ゲートからの速いペースでは体がはまるところがありませんでした。それでも前に馬が行ってくれると体がまとまって、良い形で走れました』と課題を挙げていた通り、まだまだ幼いところが残っていますが、そんな中であれだけの走りができるのは素質の表れ。来春の桜花賞はもちろんですが、古馬になってからも楽しみな存在だと思います」(同)

 レース後、藤原調教師が「まだ成長段階だったけど、その中で勝ち切れたのはよかった」と言えば、石橋騎手も「これからいろいろ成長の余地があるし、楽しみ」と今後の成長の余地を強調されたリヴォリ。

 スケール感たっぷりの妹は、クラシック出走が叶わなかった兄の無念を晴らせるか。まずは春のクラシック開幕戦で、その名を見たい1頭だ。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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