JRA「こいつらが“武豊”なら……」藤岡親子「まさかの結果」で人気大爆発!? フェアリーS(G3)あの「伏兵」評価が急上昇!
10日、フェアリーS(G3)が中山競馬場で行われる。2009年に今の条件になってから、これまで2桁人気が4度も1着となるなど波乱傾向だ。明け3歳となった牝馬達にとって、クラシックロードに乗るための大事な一戦でもある。
前日段階で1番人気のエリカヴィータが4倍を超える単勝オッズと、今年も混戦模様。予想も難解だが、ならば新馬戦からの直行となるエバーシャドネー(牝3歳、栗東・藤岡健一厩舎)に期待したい。
初戦は藤岡佑介騎手で好位追走、直線は前で粘るマテンロウオリオンを差し切って新馬勝ちを決めた。負かしたマテンロウオリオンはその後、未勝利戦を経ずにいきなり1勝クラスへ格上挑戦。見事1着で9日のシンザン記念(G3)へ駒を進め、なんとここでも勝利を飾っている。
管理する藤岡健調教師も、エバーシャドネーについて「前走はいい内容だった。2着馬とは僅差だったけれど、3着馬は離れているし、その2着馬も次に強い勝ち方をしているからね。さらに良くなっているし、ここも楽しみ」(週刊Gallop・産経新聞社)と色気十分だ。
新馬戦で負かした相手がさっそく重賞馬になったとあれば、こちらも期待しない訳にはいかないだろう。
もう一つ注目したいのが、同馬が藤岡健調教師と藤岡佑騎手による、親子タッグでの重賞出走となることだ。父の藤岡健調教師は2002年開業のベテランで、昨年は42勝、調教師リーディングは7位。勝利数・順位ともに、キャリアハイの嬉しい結果となった。
だが、意外にも厩舎の最後の重賞勝利は2019年まで遡らなくてはいけない。藤岡佑騎手とのコンビでシリウスS(G3)を制してからは、2・3着こそ複数あれど重賞に限っては惜しい結果が続いているというのが現状だ。
上記シリウスSの重賞勝ちが示すように、藤岡健調教師と藤岡佑騎手の親子コンビの近3年は計118戦し勝率16.9%、複勝率は36.4%とまずまずの好成績である。
最近は横山親子や岩田親子など、騎手同士の親子コンビに注目が集まっているが、調教師と騎手の親子コンビも見逃せない。
ご当人は、コンビ出走をどのように捉えているのだろうか。少し遡るが、2016年の『netkeiba.com』のインタビューでは、父藤岡健調教師が「こいつらが“武豊”なら、俺はもっと気楽にやれたのにって思うけど」と冗談交じりに語っている。
息子も、「ただの師匠と弟子であれば、なんぼ乗せても『面倒見のいい師匠やな』ということで理解を得られるけど、親子だとそうはいかない」(『netkeiba.com』)と昨年の兄弟対談で語るなど、それぞれに難しさがあるようだ。
エバーシャドネーがもし勝てば、この父子での芝重賞勝利は実に2012年以来10年ぶりとなる。元日がお誕生日の父藤岡健調教師にとって、新年早々の誕生祝いとなるだろうか。楽しみに待ちたい。
(文=大井ふみ)
<著者プロフィール>
競馬にハマって3、4年。周りの女性陣に布教活動を試みるもうまくいかず、おじさんの競馬仲間だけが増えていく。大井競馬場でビール片手にナイター観戦にいそしんでいたが、最近はそれすら叶わず自宅観戦の日々。