JRA エフフォーリアに続く「期待馬」が京成杯(G3)に出走! 横山武史「騎乗停止」の代役抜擢は15年前のリベンジ誓う一流ジョッキー!?

エフフォーリア 撮影:Ruriko.I

 11日に発表された、2021年度のJRA賞。

 年度代表馬のタイトルは、年間G1・3勝を挙げたエフフォーリアが獲得した。管理する鹿戸雄一調教師は、「光栄に思います。オーナーはじめ、牧場関係者、騎手、厩舎スタッフ、またファンの皆さまのおかげだと思います」と、感謝の意を述べた。

 そんな鹿戸厩舎が16日、中山競馬場で開催される京成杯(G3)に、今年のクラシック期待馬を送り出す。20年のアルゼンチン共和国杯(G2)で3着に入ったサンアップルトンの半弟、サンストックトン(牡3歳、美浦、鹿戸雄一厩舎)だ。

 父がゼンノロブロイからワールドエースに替わった同馬は、昨年8月の札幌の新馬戦で2着。続く中山芝2000mの未勝利戦でも同じく2着と惜敗したが、同日に行われた2歳戦の芙蓉S(OP)よりもタイムが速かったことで評価が急上昇した。そして、3戦目の前走で順当に未勝利を突破した。

 その前走は熱発明けだったため、状態もまだ6、7分だったようだ。それゆえ、順調に調整が進んでいる今回は仕上がっていると見てよさそう。最終追い切りはウッドで僚馬に遅れたが、鹿戸師は「全体的に悪くない。体調もよく元気いっぱい」と『サンケイスポーツ』の取材に答えており、依然として期待値は高い。

松岡正海騎手

 なお、過去3戦で手綱を取った横山武史騎手が騎乗停止のため、今回は松岡正海騎手と新タッグを結成する。

 同騎手は、20年2月の落馬で左大腿骨を骨折。同年秋に戦列に一時復帰し、ウインブライトと共に香港C(G1)で2着に入るなどの活躍を見せた後に、再度の手術・休養を経て、昨年11月に再びカムバックを果たした。京成杯は過去に2勝を挙げており、相性の良いレースといえる。

 07年には、サンストックトンを所有する加藤ステーブルの個人名義・加藤信之氏の所有馬であるサンツェッペリンで優勝。その後、人馬は次走スプリングS(G2)8着を挟んで、大一番の皐月賞(G1)に出走した。

 レースでは積極果敢に先行すると、3コーナー過ぎからは勝ったヴィクトリーとのマッチレースに。最後の直線で一度は先頭に立ったように見えるシーンもあったが、最後は僅かにハナ差及ばずの2着。それでも単勝オッズ100倍を超える人気薄での激走により、3連単162万円決着の立役者となった。

 だがレース後、松岡騎手は好騎乗以外の理由で不覚にも話題を集めてしまうことになる。

 検量室に引き上げた際、悔しさのあまりヘルメットを地面に叩きつけた同騎手だが、このシーンがテレビ中継に拾われてしまうことに。その光景を見ていたファンからは「命を守る大切な道具を乱暴に扱うのはどうなのか」と、大きな物議を呼ぶ事態となった。

「着差が着差だけに相当悔しかったのかもしれませんね。自身の初G1制覇もかかっていました。なお、レース後の行いについてしっかりと反省したのか、約1ヶ月後に行われたヴィクトリアマイル(G1)ではコイウタで1着となり、見事にG1のタイトルを獲得しました。

一方のサンツェッペリンは、日本ダービー(G1)でも4着に入るなど健闘したものの、京成杯後は1つも勝利を挙げることなく引退。現在は北海道の日高町にある加藤ステーブルで余生を送っており、“ツェッ平”の愛称で同牧場の公式Twitterにもたびたび登場しています」(競馬誌ライター)

 あれから月日が経ち、当時22歳の若武者だった松岡騎手もいまや37歳に。中堅からベテランの域へと差し掛かりつつある。その後もマイネルキッツで天皇賞・春(G1)優勝や、先述のウインブライトと海外G1を制するなど一流のジョッキーに成長したが、クラシックのタイトルにはまだ手が届いていない。

 主戦の横山武騎手には、昨年末のホープフルS(G1)を勝ったキラーアビリティも控えている。松岡騎手がサンストックトンと共に結果を残せば、コンビ続投の可能性も出てくるかもしれない。15年前のリベンジに向けて、まずは京成杯で好結果を期待したい。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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