JRA武豊、金子真人氏へ「10年ぶり」追悼の勝利届ける! ダービー馬ワグネリアンを失ったディープインパクトオーナーに誓う重賞V
2022年早々、競馬界にショッキングなニュースが飛び込んだ。2018年の日本ダービー(G1)で、福永祐一騎手に悲願のダービー制覇をもたらしたワグネリアンが、現役中にもかかわらず7歳という若さで病死した。
ネット上の掲示板でも「若すぎる」「信じられない」「子供が見たかった」など追悼の言葉が数多く寄せられている。それだけ愛されていたダービー馬の急死は、あまりにも衝撃的だった。突然の出来事に、オーナーである金子真人氏も悲痛な想いだったに違いない。
15日に中京競馬場で行われる愛知杯(G3)で重賞初挑戦となるルビーカサブランカ(牝5、栗東・須貝尚介厩舎)は金子オーナーの所有馬だ。今回も前走に引き続き武豊騎手が手綱を取る。
金子オーナーと武騎手と言えば、ディープインパクトを生み出した「伝説コンビ」だが、意外にも2011年のレパードS(G3)をボレアスで勝って以降、10年も重賞勝利から遠ざかっている。ワグネリアンの一件があってから初めての重賞となる金子オーナーへ向けて、武騎手も思うところがあるはずだ。
ルビーカサブランカは、父キングカメハメハと母ムードインディゴの間に生まれた良血馬で、両親ともに現役時から金子オーナーが所有していた“金子ブランド”だ。兄に阪神大賞典(G2)など重賞を3勝しているユーキャンスマイルがいて、血統背景からも重賞で通用していい器だろう。
この馬の強みは、どんな相手でも崩れない安定感だ。ここまで19戦消化して4勝と勝ち味に遅い印象は拭えないが、なんとそのうち18戦が5着以内。つまり掲示板内率は94.7%と驚異的な数字を残している。
今回と同じ中京競馬場での成績は「1-1-1-1」と相性も良い。さらに前走で3勝クラスを勝ち上がったばかりという事もあり、ハンデ52キロで出走できる点も魅力的だ。現在『netkeiba.com』の予想オッズでは8番人気と伏兵扱いとなっているが、決して侮れない存在だ。
昨年、愛知杯と同舞台で行われたシドニーT(3勝クラス)では3着に敗れたが、後のエリザベス女王杯(G1)の1着馬アカイイト、3着馬クラヴェル、4着馬ソフトフルートらと大激戦を演じており、能力では決して引けを取らない。
直前の追い切りでは、栗東CWで6ハロン84.6秒-11秒2とラストはキレのある動きを披露。併せたサトノアヴァロン(3歳未勝利)にクビ差先着した。管理する須貝調教師も「いい動き」と納得の仕上がりだ。
人気の中心になりそうな昨年の秋華賞(G1)3着馬アンドヴァラナウトは、デビューから全レースに騎乗していた福永騎手が落馬負傷による戦線離脱中で、今回は初騎乗となる松山弘平騎手に乗り替わる。実績は十分だが、付け入る隙はありそうだ。
ルビーカサブランカの手の内を知っている武騎手の下剋上に期待したい。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?