JRA C.ルメール「重賞12連敗」にファンから総スカン!? 京成杯(G3)「超スローペースでした」の謎コメントで戸崎圭太と明暗
16日、中山競馬場で開催された京成杯(G3)を制したのは、菅原明良騎手がコンビを組んだ6番人気オニャンコポンだった。2010年に父のエイシンフラッシュも制したレースで親子制覇も達成。見据える先は同じく中山芝2000mの同舞台となる皐月賞(G1)だ。
関東期待の若手騎手として、横山武史騎手に続けといわんばかりの重賞2勝目。昨年2月の東京新聞杯(G3)をカラテで制して以来となる重賞タイトルを手に入れた。
「前走よりも我慢をさせて競馬をしました」
デビュー戦から手綱を取り続けたパートナーと嬉しい重賞勝ちを決めた菅原騎手だが、勝負どころではライバルを先に行かせて、追い出しを待つ冷静な判断も素晴らしい。これには管理する小島茂之調教師も「彼の度胸ですよね」と感心していた。
その一方で、1番人気に支持されたアライバル(牡3、美浦・栗田徹厩舎)とのコンビで挑んだC.ルメール騎手は、スムーズさを欠く騎乗で馬券圏外の4着に敗戦。5年連続でリーディングジョッキーに輝いた腕利きとしては、あまりにも残念な内容だったといえる。
16頭立てで争われた芝2000m戦。ルメール騎手とアライバルは、先行争いには参加せず、中団やや前目で追走する。すぐ外に勝ち馬オニャンコポンがいたように、ここまでは決して悪い内容ではなかったはずだ。
しかし、勝負所となった3コーナー過ぎ。外を選択して加速しながら上がっていったライバルに対し、内を選択したアライバルの加速はもうひとつ。馬群の詰まった直線で外に出したときには時すでに遅し。ようやくエンジンが掛かった頃、レースは終わっていた。
「超スローペースでしたし、エンジンが掛かるのに時間が掛かりました。広い競馬場が良いですね。今日はプラス16キロ。次です」
レース後にそう振り返ったルメール騎手だが、このコメントもファンの不満の矛先となった。
ネットの掲示板やSNSで一部のファンから「いや、超スローペースじゃないですけど……」「言っていることが謎」「戸崎を見習え」といった不満の声も出る事態。確かに前後半1000mのレースラップは、60秒9-60秒4とほぼイーブンラップ。少なくとも超スローと評するには矛盾する数字だ。
また、「エンジンが掛かるのに時間が掛かった」という言葉にも、同じハービンジャー産駒であるロジハービンに騎乗した戸崎圭太騎手が、早めに外を捲くって上がる工夫をして2着に入っていたため、ルメール騎手の弁明が苦しくなったこともあるのだろう。
さらには昨年8月末から長期の休み明けで二桁増の余裕残し。舞台設定も小回りの中山よりも東京や新潟に適性があるのかもしれない。
とはいえ、現在のルメール騎手が乗れているのかとなると必ずしもそうではない。昨年12月にチャレンジC(G3)をソーヴァリアントで制したものの、以降は上位人気馬に騎乗して連戦連敗。今回の敗戦によって重賞12連敗を喫した。
裏切り続きの現状をそろそろ何とかしないと、不甲斐ない騎乗にファンの不満も爆発しそうな雰囲気も出て来た。23日のアメリカジョッキークラブC(G2)は、昨年アリストレレスで勝利した縁起のいいレースだけに、騎乗を予定しているオーソクレースで連敗ストップといきたいところだ。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。