JRAディープボンド「サウジ遠征回避」の要因に国内では「あり得ない」ハンデ差!? まさかの最軽量斤量に「これがあるべき姿」という声も……
昨年の有馬記念(G1)で2着に好走したディープボンド(牡5歳、栗東・大久保龍志厩舎)が、招待されていた『サウジカップデー』のレッドシーターフハンデキャップ(G3、芝3000m、2月26日)を回避することがわかった。
この春は3月の阪神大賞典(G2)から始動し、順調なら5月の天皇賞・春(G1)、6月の宝塚記念(G1)の計3戦を走る。大目標は、昨年惜しくもワールドプレミアの2着に敗れた天皇賞・春になるだろう。
陣営が下した「サウジ遠征回避」という判断にはネット上で、「正しい決断だと思う」「これで春天制覇が見えてきた」など歓迎の声が目立った。
「ディープボンドの(春の)国内専念は予想通りですね。オミクロン株の感染拡大で先行きは不透明ですし、何より62kgという酷量が多分に影響したと思います。
G3とはいえ1着賞金が阪神大賞典の2倍以上の1億5000万円。58~59kgくらいのハンデなら出走の可能性はあったかもしれませんが、さすがに不慣れな海外で62kgを背負うのはリスクが高すぎますからね。賢明な判断だと思いますよ」(競馬誌ライター)
また、日本のファンにとって想定外だったのが同レースのハンデ差ではないだろうか。
ディープボンドの国内専念は想定内だったが、62kgという酷量は陣営にとっても想定外だったのかもしれない。ただ、それ以上に日本のファンが食いついたのは最軽量馬のハンデが44kgだったことだった。
「現在、JRAのハンデ戦では、どれだけ実績がない馬でも一部の例外を除き下限が決まっていあます(オープンクラスが48kg、条件クラスが50kg)。また、現在の基準ではトップハンデ馬の斤量が60kg台になることもほぼありません」(同)
日本の競馬ファンにとって「18kg」というハンデ差は新鮮に映ったのか、ネット上では様々な反応があった。
「本来はこれくらいの差をつけてもいいと思う」「これがあるべき姿だ」という肯定的な意見から、「44kgで乗れる騎手はいるのか!?」「日本ではテンポイントの悲劇があったから、実績馬には重い斤量は背負わせないでしょう」という現実的な声も――。
ファンの意見にもあったように、44kgという斤量では騎乗できる騎手はほとんどいないのが現実だろう。それでもJRAのハンデキャッパーは、ハンデ差が大きくなりすぎないように無難に斤量を設定することが多いのもまた事実。18kg差は非現実的としても、もう少し“冒険”をしてもいいのかもしれない。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。