JRA 新興一口クラブの救世主は武豊!? 賞金占有率60%超「看板馬」引退で大ピンチも「次世代エース」がレジェンド鞍上で再始動!

ディープモンスター 競馬つらつらより

 今週末からいよいよ東京開催がスタートする。30日にはフェブラリーS(G1)前哨戦の根岸S(G3)が行われるが、前日のメインレース・白富士S(L)も注目度が高い一戦だ。

『netkeiba.com』の予想オッズを見ると、5番人気までを明け4歳馬が占めている。中でも注目は牡馬クラシックを皆勤し、休み明けの菊花賞(G1)で5着に好走したディープモンスター(牡4歳、栗東・池江泰寿厩舎)だろう。

 その前走は主戦の武豊騎手が騎乗し、中団で脚を溜めると、直線外に持ち出され、しぶとく脚を伸ばした。勝ったタイトルホルダーには1秒0差をつけられる完敗だったが、2着オーソクレースとは0秒2差。レースを一度使われた上積みも期待でき、ここは通過点の可能性もある。

 鞍上は引き続き武騎手が務め、1着で賞金加算が至上命題だろう。そんなディープモンスターの活躍を渇望しているのが、同馬を所有する一口馬主クラブ法人のDMMバヌーシーだ。

 同クラブは2016年に設立された新興クラブで、15年生まれの3頭からスタート。初年度からキタノコマンドールが皐月賞(G1)と日本ダービー(G1)に出走する快挙を遂げたが、キタノコマンドールはダービー後に屈腱炎を2度発症し、キャリア4戦で種牡馬入りした。

ラヴズオンリーユー

 そして、程なくして登場したのが後にG1を4勝することになる名牝だった。13頭が募集された2年目の世代に名を連ねていたのが昨年末でターフを去ったラヴズオンリーユーである。

 総額2億4000万円以上という破格の金額で募集されたリアルスティールの全妹にあたる良血馬は、デビューから4連勝でオークス(G1)を制覇。その後は一時スランプに陥ったが、5歳になって復活し、昨年だけで海外G1を3勝した。通算成績は16戦8勝で、稼ぎ出した賞金総額は9億4487万円に上った。それゆえ、DMMバヌーシーにとって「看板馬」の引退は大きな痛手となっている。

 クラブから49頭がデビューしたものの、ラヴズオンリーユーはその中で唯一の重賞ウイナーだった。これまで49頭が稼ぎ出した獲得賞金は総額15億6548万円だが、ラヴズオンリーユー1頭が全体の60.4%を占有している。

 ラヴズオンリーユーの引退に伴い現役馬で最も賞金を稼いでいるのが、オープン馬のエブリワンブラックで6895万円。ただし昨年7月に3勝クラスを突破して以降は、頭打ち状態となっている。

 そんなDMMバヌーシーの救世主となり得る次なるスター候補がディープモンスターというわけだ。

 奇しくも白富士Sが行われる翌日に東京競馬場パドックでは、ラヴズオンリーユーの引退式が行われる。ディープモンスターは偉大な大先輩の引退式に花を添え、次の「看板馬」としての第一歩を勝利で踏み出すことができるだろうか。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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