牧場関係者がSNSで大炎上!? 被害者は皐月賞(G1)を制した種牡馬…一歩誤れば大惨事の顛末
昨年、スマホアプリゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)が大ヒットしたことにより、競馬ファンが急増。その一方で、マナーの悪さが目立つファンや牧場に無許可で見学に訪れるファンが現れ、問題となった。
引退馬などを繋養している牧場はSNSなどを通じ、念を押して「完全事前予約制」によって見学可能であることを周知徹底しているケースも多い。また、非常識な見学者が後を絶たないのであれば、見学不可の措置を講じると警告する事態に発展したケースもあった。
しかし、今度はあろうことかファンではなく牧場スタッフが、あってはならない行動をとってしまったそうだ。
3日、北海道日高郡新ひだか町の嶋田牧場がTwitterを更新。「多大なるご迷惑をおかけした事をお詫び致します」と、競馬ファンなどへ謝罪の意を表明した。
発端となったのは、同牧場で働いている女性社員の行動だった。
女性は同町にある種牡馬繋養牧場のアロースタッドを研修生として訪問し、種牡馬のエポカドーロを撮影。動画内では柵の外から2018年の皐月賞(G1)優勝馬を撮っただけでなく、女性がエポカドーロの鼻や口元を触るシーンも映されていた。
そして、その動画をSNS上にアップロードしたところ瞬く間に拡散。視聴したファンや同馬のファンド保有者から多くの非難が、女性のSNSアカウントに殺到する事態となった。
「うーん……。ちょっとこれはいただけないですね。エポカドーロはシンジケートが組まれている種牡馬ですので、ファンド保有者に許可なく馬に接触することは禁止されていると思います。
まだ、撫でているだけなら、ここまで炎上はしないと思います。問題はエポカドーロの口へ自身の手を入れていることですね。馬は噛む習性があり、力は非常に強いです。一歩間違えれば大怪我ですからね。
アロースタッドのスタッフならまだしも外部の方ですから、同スタッドもどう責任をとればいいのやら……。怪我が無かったのは幸いですが、多くの方々に迷惑をかけてしまった残念な行為ですね」(競馬誌ライター)
女性はエポカドーロの口に手を入れた件について、馬が首を出してくれて安全だと判断したと説明。また、批判に対しては反論していたが、事の重大さに気付いたのか、その後は一連の行動について全て謝罪した。
しかし、併せて一部の行き過ぎた批判や誹謗中傷と判断した書き込み等については法的措置も辞さないことを表明した。これが結果的に火に油を注ぐ形となり、再び炎上。女性はTwitterやインスタグラムなどのSNSアカウントを削除、非公開にしたようだ。
アロースタッドによると、女性はその後直接、謝罪に訪れたという。また、雇用主の嶋田牧場とはSNS等を使用しないことを約束。二度と今回のような出来事は起こらないことを祈るばかりだ。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……