JRA 武豊「いい走りができました」期待の2億円ホースが待望の初勝利! 川田将雅も感服する「一変」の走りで同馬主ドウデュースに追い風吹くか
「いい走りができました」
レジェンドも納得する走りをようやく見せてくれたようだ。
12日、阪神競馬場で行われた5Rの3歳未勝利戦は、武豊騎手の2番人気のマイシンフォニー(牝3歳、栗東・松永幹夫厩舎)が好位から抜け出て優勝。4戦目で待望の初勝利を達成した。
13頭で争われた芝1800m戦。好スタートを決めたマイシンフォニーだったが、武騎手が抑えて内の4番手を追走。口向きの悪い場面も見られたが、武騎手が宥めて落ち着くと馬群の中で脚を溜めて直線へ。
前がポッカリ空くと、武騎手の合図に応じて鋭く反応。徐々に加速していき、残り1ハロンを切ったところで先頭に。大外から初出走の良血馬ヴィスパメンテが猛追するも、マイシンフォニー自身も伸びて、1馬身差で振り切った。
マイシンフォニーは「2020年セレクトセール1歳部門」にて、2億6400万円(税込)で取引された超高額馬だ。半兄はデビューから3連勝で京都2歳S(G3)を制したマイラプソディということもあり、デビュー前から一目置かれる存在だった。
しかし、デビュー戦ではスタートで遅れると、直線の進路取りもスムーズさを欠いて4着に。続く次走は2着と高額馬の意地を見せたが、3戦目は重馬場の影響で伸び切れず4着と勝ち切れないレースが続いていた。
だが、そんな鬱憤を晴らすかのように4戦目で一変。2着馬の川田将雅騎手が「勝った馬は強かったですね」と、褒め称える会心の初勝利を挙げた。
「スタート直後は口向きの悪さを見せてヒヤッとするシーンもありましたが、武騎手が上手く折り合いをつけてくれました。直線では運よく前が空いて、あとは伸びるだけでしたね。ヴィスパメンテの差し脚も凄かったですが、マイシンフォニーがソツないレースが出来た分先着できたと思います。
約4ヶ月半ぶりの実戦でしたが精神的に成長した部分も見えましたし、開幕週の綺麗な馬場も合っていましたね。デビュー以来初の良馬場でしたから、昨年のうちに勝ち上がれなかったのは運が向いてなかったのかもしれませんね。
昇級しても今回のように、馬群の中で我慢するレースが叶えば十分通用すると思います」(競馬記者)
半兄のマイラプソディは3戦3勝だった2歳時から一転。3歳以降は未勝利の苦しいレースが続いている。成長力に疑問のある一族だっただけに、マイシンフォニーが明け3歳初戦で勝ち切ったのは、両馬の馬主にとっても大きいことだろう。
その馬主とは、競馬ファンにとって既にお馴染みのキーファーズだ。昨年は長年懇意にしている武騎手とドウデュースで、念願のG1初勝利を成し遂げ波に乗っている。そこに今回のマイシンフォニーの初勝利で、勢いに拍車がかかることに期待したい。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……