JRAフェブラリーS(G1)注目は過去25年で最多「11勝」の毛色の馬達!テーオーケインズ回避で「波乱」必至
20日、東京競馬場では今年最初のJRA・G1、フェブラリーSがダート1600mを舞台に行われる。
1984年にフェブラリーハンデキャップ(G3)として創設されたこのレース。94年にG2、そして97年からG1に格上げされて現在に至る。
G1になって以降、目立っているのが“ある”毛色を持つ馬の活躍だ。勝ち馬25頭のうち半数に迫る11頭が栗毛の馬体を持っていた。これは鹿毛の8頭を上回り、堂々トップ。これに続くのが黒鹿毛の4頭、青鹿毛と栃栗毛の各1頭となっている。
「ご存じの方も多いと思いますが、サラブレッドの毛色で最も多いのは鹿毛で、全体の半数近くを占めています。その次に多い栗毛が25%ほどです。そう考えると、フェブラリーSにおける栗毛馬の勝率はかなり高いといえますね。
近年は、芝に比べるとダートでは栗毛の活躍が目立ちます。ゴールドアリュール、へニーヒューズなどダート血統の人気種牡馬に栗毛が多いことも要因の一つかもしれません」(競馬誌ライター)
ちなみに同期間(1997~2021年)に行われた全てのG1レースの結果を集計しても、栗毛馬による勝利数はフェブラリーSが最多。これに10勝のマイルCS(G1)、7勝の有馬記念(G1)が続いた。
【G1レース別、栗毛馬による優勝数(1997年以降)】
1位 フェブラリーS 11勝
2位 マイルCS 10勝
3位 有馬記念 7勝
今年のフェブラリーSも栗毛馬に注目!というわけで、出走が確定した16頭を見てみると、インティ(牡8歳、栗東・野中賢二厩舎)、エアスピネル(牡9歳、栗東・笹田和秀厩舎)、ケイティブレイブ(牡9歳、美浦・清水英克厩舎)、そしてサンライズノヴァ(牡8歳、栗東・音無秀孝厩舎)の4頭が栗毛だった。
もし出走していれば、昨年のチャンピオンズC(G1)を圧勝したテーオーケインズが一本被りの人気になっていてもおかしくない存在だった。ところが、当初からの予定通り、26日に開催されるサウジC(G1)に参戦するため、フェブラリーSを回避。有力栗毛馬の1頭が不在の今回は、他の4頭に注目せざるを得ないだろう。
ただし、4頭はいずれも8歳以上という年齢がネックとなり、かなり人気を落としている。17日現在、『netkeiba.com』の単勝予想オッズで、最も人気を集めているエアスピネルでも6番人気、これに8番人気インティ、13番人気サンライズノヴァが続き、ケイティブレイブにいたってはシンガリの16番人気となっている。
この4頭には毛色以外にもコース実績という共通点がある。。インティは言わずと知れた3年前の当レース覇者。そして、エアスピネルとケイティブレイブは過去2年の2着馬である。そしてサンライズノヴァも同じ舞台のユニコーンS(G3)と武蔵野S(G3)を2度(18年、20年)制覇している東京マイル巧者だ。
4頭合わせて34歳、平均年齢は8.5歳。競走馬としては、“シニア世代”といえる栗毛の4頭のいずれかがアッと言わせる激走を見せれば、波乱のフェブラリーSとなりそうだ。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。