JRA武豊「常識破り」に色気、フェブラリーS(G1)3年ぶり「戴冠」に自信あり! レジェンドが匂わせたインティ好走の条件
20日、東京競馬場で行われるフェブラリーS(G1)は今年最初のG1であるほかに、「リピーター」の好走が特に目立つレースといえるだろう。
2014、15年連覇のコパノリッキーをはじめ、ノンコノユメ、ゴールドドリームなど複数年にわたり馬券に絡んだ馬が多数。しばしばダート馬は芝馬に比べて競走寿命が長いと言われているが、過去のフェブラリーSの結果を見ると頷ける。
今年の該当馬の多くは高齢馬ばかり。晩成型の馬も珍しくはないが、人間同様にサラブレッドも大半は、年を重ねてパワーダウンするのは否めない。だが、反対に年齢で嫌われた実力馬のオッズが下がるのであれば、配当妙味もあるはず。今回はあえての高齢馬狙いでお宝配当を狙ってみたい。
該当馬はケイティブレイブ、エアスピネルなど複数いるが、その中でも近況の成績良好なインティ(牡8歳、栗東・野中賢二厩舎)が面白そうだ。
19年の同レース制覇から約3年白星から遠ざかっているが、G1で4度も馬券に絡んでおり、顕著な衰えは見られていない。管理する野中厩舎のスタッフも『サンケイスポーツ』の取材に「8歳ですが、筋肉が柔らかい。年齢的な衰えは感じませんね」と答えており、年齢的な衰えは、我々が思っているほど深刻ではなさそう。
これには、前走に引き続き騎乗する武豊騎手も同意見だ。自身のオフィシャルサイトで「常識的には8歳馬では苦しいと見られるかもしれません。しかし、2週前、1週前と追い切りに乗って、年齢を感じない動き」と、触れていたように臨戦態勢にあることを強調している。
また、インティにとって、敗れながらもレース経験を豊富に積めたことは、大きな武器となった。かつて7連勝でフェブラリーSを制覇した当時は逃げや先行のみだったが、現在は後ろからでも好走できる自在性を身につけた。
「レースに幅が出てきましたし、大きく崩れなくなった。今ならどのポジションでも大丈夫」と自信を見せた野中師の言葉も心強い。
「意外にも前評判は高くなさそうですが、前走のチャンピオンズC(G1)は2番手から運んで4着。カフェファラオ、ソダシなどチャンピオンズC組が今回多いですが、インティは最先着を果たしています。
何より状態が非常に良いみたいなんですよね。野中師は『終いをしっかり追って、いい頃の動き。いい時計が出た。状態はすごくいいのかな』と、武騎手も『今週は坂路でサッと追われていい雰囲気になっています』と、各々好感触を得ています」(競馬誌ライター)
「楽しそうに走るのがインティの1番の良さで、それが本番で引き出せるようならと思っています」
自身のオフィシャルサイトでそう決意表明した武騎手。今年52歳のジョッキーと8歳馬のベテランコンビが2022年最初のG1馬の称号を得られるだろうか。
出走していれば強敵となったテーオーケインズやチュウワウィザードら強力メンバーが不在の今回、3年ぶりの戴冠があっても驚けない。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……