JRA 武豊&C.ルメール人気馬を完封!“当たり年”ハービンジャー産駒「新たな大物候補」が経験馬を相手に圧巻V!
20日、東京競馬場で行われた4R・3歳未勝利(芝1800m)は、今回が初出走だった6番人気スガオノママデ(牝3歳、美浦・黒岩陽一厩舎)が、直線で楽に抜け出して優勝。C.ルメール騎手の1番人気ジュエルラビシア、武豊騎手の2番人気フォーグッドら人気の経験馬たちを抑え、見事に初陣で白星を飾った。
「能力があります。直線もヨーイドンの瞬発力勝負でいい脚を使ってくれました。今後が楽しみですね」
騎乗した吉田隼人騎手もそう高評価した16頭立ての一戦。7枠14番からまずまずのスタートを決めたスガオノママデは、道中は中団馬群の外目を追走。1000m通過61秒9のゆったりとした流れの中、徐々にポジションを押し上げながら4コーナーを3番手で回り、最後の直線に入った。
内でやや進路取りに戸惑っていたフォーグッドを尻目に先頭に立つと、外からジュエルラビシアが伸びてきたが、差を詰めさせず。吉田隼騎手のステッキが入ると残り1ハロンで完全に抜け出し、最後は手綱を抑える余裕を見せながら2馬身半差の完勝を収めた。
「非常に強い勝ち方でした。4コーナーでは好位から、上がり3ハロン最速となる34秒2を繰り出しており、ここでは力が抜けていた印象です。デビューこそ遅くなりましたが、ぜひ順調に進んで行ってほしい素材ですね」(競馬誌ライター)
抜群の切れ味を披露したスガオノママデは、祖母が重賞3勝のビハインドザマスク、近親にはヴィクトリアマイル(G1)勝ちのコイウタなどがいる血統。父ハービンジャー×母父ディープインパクトという配合は、今月12日のクイーンC(G3)を勝ち、桜花賞(G1)の有力候補に浮上したプレサージュリフトと同じだ。
なお、この世代のハービンジャー産駒の牝馬には、他にもデビューから2連勝で阪神JF(G1)に進み、1番人気に支持されたナミュールがいる。今回、既走馬たちを相手に完封劇を演じたスガオノママデは、また新たな大物候補といっていいかもしれない。
「現3歳世代のハービンジャー産駒は、17年秋のディアドラやモズカッチャン、ペルシアンナイトの活躍を受けた後、良質な繁殖牝馬を相手に種付けされ、19年に誕生した世代です。牡馬にもリューベックやアライバルといったクラシックの期待馬が控えており、ある意味では当たり年といってよいかもしれません。
スガオノママデは、日程的に桜花賞だと厳しいかもしれませんが、オークス(G1)に間に合えば面白い存在になるかもしれませんね」(同)
なおレース後、管理する黒岩師は「まだ体幹などしっかりしていない部分がある中で、いいパフォーマンスを見せてくれた。次についてはしっかり回復させてから考えます」とコメントしている。
06年にオークスを勝ったカワカミプリンセスが、2月26日にデビューしているため、スガオノママデも樫の舞台に間に合わせることは決して不可能ではないだろう。プレサージュリフトやナミュールと共に、牝馬路線で先々まで注目しておきたい1頭だ。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。