JRA定年直前の「駆け込み需要」に気付けるか? 勝率2割超えの大攻勢で大波乱を演出、名伯楽の「引退忖度」で穴馬券ゲットに絶好のチャンス!

 先週末に行われた2022年最初のG1・フェブラリーSは、昨年の覇者カフェファラオによる連覇で幕を閉じた。これとともに東京開催が終わり、今週から舞台を中山に替えて3月の開催を迎える。

 来月には10名の新人騎手のデビューが控えているが、2月一杯で勇退する名伯楽の大攻勢は見逃し厳禁だ。

 “気を利かせた”関係者が、勝ち負けできそうな馬を優先的に回したり、オーナーが所有馬のローテーションを繰り上げ出走するなども十分に考えられる。そういった事情もあって、引退間際の騎手や調教師が騎乗馬で穴を出すことや、管理馬を大量に出走させるケースは、そう珍しいことではない。

 過去の事例を踏まえると、藤沢和雄厩舎の好成績も納得できそうだ。定年まで残すところ2週だった先週は、東京と阪神に13頭の管理馬を送り込み、トータル【3.3.2.5/13】で、3勝2着3回3着2回。勝率も23.1%の大活躍だった。

ランフォザローゼス

 中でも圧巻だったのが、土曜東京メインのダイヤモンドS(G3)で大穴を開けたランフォザローゼスだろう。

 3歳時にはクラシック候補と呼ばれた血統馬も、古馬になって低迷が続いていた。19年の青葉賞(G2)の2着を最後に14戦連続で馬券圏外の連敗中。騎乗していたのも、厩舎の主戦であるC.ルメール騎手ではなく、近年の活躍が目立たない田中勝春騎手と、軽視される理由も多かった。

「田中勝騎手が藤沢和厩舎の管理馬に騎乗したのは、近年だと2017年に一度のみ。重賞となると、2010年のラジオNIKKEI賞(G3)のシャイニンアーサー以来となる約12年ぶりのことでした。

すっかり疎遠になっていた両者にとって遅過ぎる復縁となりましたが、レース前に気付けていれば、何かあるんじゃないかと警戒したんですけどねえ。最終追い切りで美浦の芝コースを2周も走らせていたくらいですから、先生も密かに狙っていましたね(笑)」(競馬記者)

 だが、後の祭りと悔いるのはまだ早い。幸いにも2月の開催はまだ1週あるため、藤沢和厩舎の管理馬を狙えるチャンスは、まだ残されているのだ。

 以下は、今週末の開催で特別登録がある藤沢和厩舎の管理馬。

■藤沢和雄厩舎の特別登録馬
・土曜
中山9R水仙賞(1勝クラス) ワールドコレクター
中山10R富里特別(2勝クラス) カランドゥーラ、サトノフォース※
中山11R幕張S(3勝クラス) レッドクレオス
小倉8R春麗ジャンプS(OP) ゼノヴァース、ルヴォルグ
小倉11R八代特別(2勝クラス) サトノフォース※

・日曜
中山11R中山記念(G2) コントラチェック※、ゴーフォザサミット、レッドサイオン
阪神11R阪急杯(G3) コントラチェック※

※ダブル登録

 中山、阪神、小倉で総勢9頭がスタンバイと、同じく定年前の他調教師の登録馬に比して、明らかに意欲的なラインアップが揃った藤沢和厩舎のラストウィーク。先週、美味しい想いをし損ねたファンにとって、名伯楽の管理馬で高配当を狙えるラストチャンスとなるかもしれない。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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