【ドバイシーマクラシック(G1)展望】シャフリヤール、オーソリティらJRA勢5頭の大勢力! 外国馬筆頭格はBCターフ勝利のユビアー

シャフリヤール 競馬つらつらより

 現地時間26日、UAEのメイダン競馬場では『ドバイワールドカップデー』が開催される。その第8レースに組まれているドバイシーマクラシック(G1、芝2410m)を展望していこう。

 このレースが国際G1に昇格した2002年以降、日本馬が勝利したのは、ハーツクライ(06年)とジェンティルドンナ(14年)の2頭だけ。やや苦戦傾向にあるが、今年は超豪華メンバーがそろった。

 出走馬10頭のうち、日本馬はちょうど半数の5頭。最有力視されるのは、昨年の日本ダービー(G1)覇者シャフリヤール(牡4歳、栗東・藤原英昭厩舎)だろう。

 キャリア僅か4戦目でエフフォーリアを破り、世代の頂点に立ったシャフリヤール。その後は神戸新聞杯(G2)4着、ジャパンC(G1)3着と、勝利こそないが、前者は不良馬場、後者はその疲れが残っていた可能性が高く、見限るのは早計だ。フレッシュな状態で臨めそうな今回は現地での下馬評も高い。

 20日現在、有力ブックメーカーの一つ、『bet365』では単勝オッズ4.5倍の2番人気に支持されている。初の海外遠征で環境面の適応には不安も残すが、理想の瞬発力勝負に持ち込めれば、G1・2勝目を挙げるチャンスは十分あるだろう。

オーソリティ

 オーソリティ(牡5歳、美浦・木村哲也厩舎)も初のドバイ遠征だが、先月サウジアラビアで行われたネオムターフC(G3、芝2100m)を逃げ切っている。ドバイに転戦しての海外2戦目は距離を約300m延ばして臨む。

 これまで国内では2400m以上の重賞を3勝、3400mのダイヤモンドS(G3)でも2着しているように、距離は長い方がいい。また、2走前のジャパンCは斤量が2kg軽かったシャフリヤールに1馬身半先着しているのも心強い。慣れない海外での連戦で疲れさえたまっていなければ、再びシャフリヤールに先着できるはずだ。単勝オッズは5.0倍でシャフリヤールに続く。

 日本馬5頭の中で、最も海外経験が豊富なのはグローリーヴェイズ(牡7歳、美浦・尾関知人厩舎)だ。

 海外では3戦して、2勝2着1回とすべて連対を果たしている。ただし、3度の渡航はいずれも香港なので、“長距離遠征”は実質初めてといえるかもしれない。それでも海外の経験値はプラスになることは間違いない。

 7歳を迎えたが、キャリア17戦と使い込まれていないのも好材料。年齢による衰えは考えなくていいだろう。単勝オッズは9.0倍で5番人気タイとなっている。

ステラヴェローチェ 撮影:Ruriko.I

 グローリーヴェイズと並ぶ5番人気に支持されているのが、ステラヴェローチェ(牡4歳、栗東・須貝尚介厩舎)だ。

 エフフォーリアの陰に隠れていたが、マイルから長距離まで4歳世代ではトップクラスの実力を誇る。重賞2勝をいずれも不良馬場で挙げているように、理想は重い馬場かもしれない。ただ、レコード決着となった朝日杯FS(G1)で2着しているように、軽い馬場のスピード勝負にも対応可能だ。6度目のG1挑戦で悲願を遂げることはできるか。

 日本馬5頭目は紅一点のユーバーレーベン(牝4歳、美浦・手塚貴久厩舎)だ。昨年のオークス(G1)制覇後は、秋華賞(G1)13着、ジャパンC6着、京都記念(G2)5着と凡走が続いており、現地でも単勝オッズ15.0倍の8番人気に甘んじている。

 後押しがあるとすれば祖父ステイゴールドの存在か。まだ国際G2だった01年、ステイゴールドは初の海外遠征で武豊騎手を背にこのレースを制している。21年の時を経て、ユーバーレーベンは祖父の走りを再現できるか。

 海外勢では地元のユビアー(セ4歳、UAE・C.アップルビー厩舎)の評価が高い。シャフリヤールとは僅差ながら、単勝オッズ4.33倍で1番人気の支持を受けている。

 通算成績は12戦して、「6-1-2-3」だが、目下3連勝中と勢いがある。特にG1初挑戦となった前走のブリーダーズCターフ(G1、芝2400m)では、後方から直線大外一気の豪脚で、先に抜け出したブルームを捉えた。4か月半ぶりの実戦で日本馬5頭をまとめて飲み込むか。

 海外勢でもう1頭名前を挙げるとすれば、アレンカー(牡4歳、英・W.ハガス厩舎)だろう。

 G1未勝利だが、単勝オッズ8.0倍でオーソリティに次いで4番人気となっている。前走はウィンターダービー(G3、AW2000m)を快勝したが、2馬身半差の2着に下したのが同日に行われるドバイターフ(G1、芝1800m)で有力視されるロードノースだった。

 単勝オッズも割れており、混戦ムードの一戦。制するのはユビアーかアレンカーか、それともジェンティルドンナ以来となる日本馬か。

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